光触媒で燃料生成
2025-06-05 14:20:23

光の強さを操る新技術!CO2から燃料を生成する光触媒の最新研究

光の強さを操る新技術!CO2から燃料を生成する光触媒の最新研究



千葉大学での研究成果に基づき、我々はCO2を燃料や高付加価値物資へと変換可能な新しい光触媒技術を発表しました。この技術は、光の強度を変えることで一酸化炭素(CO)、メタン(CH4)、エタン(C2H6)、そしてプロパン(C3H8)を生成することが可能です。

研究の背景


持続可能な社会を実現するために、CO2をバイオマス燃料や高付加価値の化学原料に変換する技術が求められています。近年の研究では、太陽光などの再生可能エネルギーを利用してCO2を還元し、燃料を生成する方法が注目されてきました。しかし、環境効果だけでなく、経済的にも理解される技術が必要です。

現在、従来の光触媒技術を用いて生成されるC1化合物(COやメタン)は、比較的安価に得られる一方、より貴重価値の高いC2、C3炭化水素は価格が高く、より高い技術的な解決策が要求されていました。そこで、我々は光の強度を段階的に調整することで、CO2からの生成物を効率的に分ける可能性を探ってきました。

研究の成果


本研究では、特殊な光触媒を用いて、CO2の光還元反応を詳細に調査しました。具体的には、鉄と酸化ジルコニウムを組み合わせた触媒を使用し、紫外可視光を照射しました。この結果、初めに低い強度でCOを生成し、次第に強度を上げることでメタン、エタン、プロパンへと変換されることが確認されました。

実験結果


実験では、紫外可視光の強度を110 mW/cm²から472 mW/cm²まで変化させると、生成物が変化する様子を観察しました。特に、472 mW/cm²においては、メタンの生成が加速され、合計で毎時170マイクロモルまで全体的に生成されることが確認されました。この実験の流れの中で、生成物の抽出における高効率も報告されています。

今後の展望


今後の研究では、鉄をベースにした新たな光触媒技術を利用し、エチレンやプロピレンの生成も目指します。これにより、CO2と水からC2~C3の炭化水素を合成する新たな手法を開発し、持続可能な社会への貢献を目指します。

結論


この新たな光触媒技術は、あらゆる家庭や産業での環境サステナビリティを高める可能性を秘めています。これを通じて、持続可能社会の形成に向けた重要な一歩を踏み出したと言えるでしょう。我々は、次世代の燃料となるC2、C3の生成技術をさらに進化させるため、多くの研究者と協力し続けます。

用語解説


  • - C1~3炭化水素: 1分子中に含まれる炭素原子数に応じた炭化水素のこと。
  • - 紫外可視光: 光の波長帯域のこと。
  • - 電荷分離: 光触媒内部で生じた電子と正電荷が分離した状態。

論文情報


  • - タイトル: Light intensity–directed selective CO2 photoreduction using iron(0)–zirconium dioxide photocatalyst
  • - 著者: Tomoki Oyumi, Ikki Abe, Masahito Sasaki, Yasuo Izumi
  • - 雑誌名: Chemical Communications
  • - DOI: 10.1039/D5CC01147G

この研究が、今後の光触媒技術の発展に寄与することを期待しています。


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会社情報

会社名
国立大学法人千葉大学
住所
千葉県千葉市稲毛区弥生町1-33 
電話番号
043-251-1111

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