遺伝子治療に関するカルタヘナ法への対応と今後の方針
医療法人社団DAP北青山D.CLINIC(院長:阿保義久)は、遺伝子治療に関して、厚生労働省および環境省からカルタヘナ法に基づく措置命令を受けました。この命令は、当院で使用していた非増殖型レンチウイルスベクターが法改正後、カルタヘナ法による許可が必要とされることからもたらされたもので、治療が違法であったわけではありません。特に、遺伝子組換え生物が環境や人体に影響を及ぼした事実はありません。
経緯と現状
2009年
治療開始に際し、厚生労働省から合法的な実施方法を確認し、自由診療として提供を開始しました。また、必要な医薬品は医師が個人輸入により確保することとなりました。この方針を遵守して以来、当院は治療を続けてまいりました。
使用ベクターの解釈
非増殖型レンチウイルスベクターについては、以下の理由から規制対象外と考えていました:
- - 複製能力を持たず、自然条件下での組換えの可能性が極めて低いこと
- - 「自然条件において核酸を交換し得るウイルス又はウイロイド」に該当しなかったこと
- - 当時のGILSPリストにも含まれていなかったこと
このような理解のもとで治療を継続していました。
2025年1月末
厚生労働省が主催した教育研修会で、当該ベクターがカルタヘナ法の規制対象であることが明示されました。
2025年2月以降
この後、治療の継続や猶予措置に関して厚労省に確認を行いましたが、規制対象とされることへの指摘を受けました。
2025年6月2日~6月12日
厚労省・環境省から「報告徴収」通知を受け、当院ウェブサイトでの治療情報を一時停止し、使用状況や措置の検討経緯をまとめた報告書を提出しました。
現在
現在、関係省庁の指導のもとでカルタヘナ法の許認可申請の準備を進めています。
今後の対応
今回の措置を厳粛に受け止め、深くお詫び申し上げます。今後は以下の対応を徹底し、再発防止に努めます:
1. 報告徴収通知への対応の完了
2. カルタヘナ法の正式な許認可申請の迅速な実施
3. 患者への個別説明と公式サイトでの進捗公開
4. 院内体制の強化と再発防止
5. 難治性がんに対する治療の継続と研究の発展
特に当院は、スキルス胃がんや膵臓がんなどの難治性がん患者に対して高い評価を得ており、生存期間や生活の質の改善においても成果を上げています。適正な診療体制を維持しながら、患者の安全と法令遵守を最優先に考えてまいります。
全力を尽くして治療の再開を進め、必要とする患者に対して適切な医療を提供できるよう、引き続き努力してまいります。
クリニック情報
- - クリニック名:北青山D.CLINIC
- - 院長:阿保義久
- - 所在地:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-7-10 ARK WISE BLDG.
- - 公式ウェブサイト:dsurgery.com