東京ガス、最適運用サービスを開始
東京ガス株式会社が、新たに系統用蓄電池の最適運用サービスを立ち上げ、その初号案件として、株式会社レノバが開発した2か所、合計165MWの蓄電所の需給運用業務を受託しました。この取り組みは2028年度から20年以上にわたって続く見込みで、電力市場のさまざまな動向に柔軟に対応し、複数の市場での活用を目的としたものです。
新たな取り組みの背景
近年、再生可能エネルギーへの移行は加速しており、それに伴って蓄電システムの需要が高まっています。東京ガスは、これまでの電力事業を通じて蓄積したノウハウを活かし、安定した電力供給を実現するための取り組みを続けています。レノバとの資本業務提携契約を締結したことを受け、本サービスの提供が実現しました。
東京ガスは、新電力としての知見を最大限に活かし、需給最適化を図るために市場取引の精度を高める技術を開発しています。具体的には、社内のエンジニアによる予測・最適化ロジックを構築し、高度なデジタル技術を用いて、市場や制度の変化に即座に対応できる体制を整備しています。
蓄電所の詳細
今回、受託する蓄電所は以下の2か所です。
- 蓄電池出力: 75MW
- 商業運転開始予定: 2028年度
- 蓄電池出力: 90MW
- 商業運転開始予定: 2028年度
これらの蓄電所は、電力市場価格を予測し、最適な運用計画を策定することを目指しています。また、需給運用業務の代行や蓄電池の運用制御も行い、最大限の価値を引き出すことを意義としています。
IGNITUREブランドの展開
東京ガスは、2023年11月末にソリューション事業ブランド「IGNITURE」を立ち上げ、このブランドを通じてさまざまなソリューションを提供し始めました。家庭や法人、地域まで多様なお客さまに向け、経済性・利便性・効率性の向上とともに、持続可能な生活を実現するための提案を行っていくとしています。
未来への挑戦
中期経営計画「Compass Transformation 23-25」では、再生可能エネルギーを活用するための多様な分散型リソースを活用し、2030年度には系統用蓄電池の運用容量を800MWに引き上げることを目指しています。この取り組みを通じて、東京ガスはカーボンニュートラル社会の実現へ向けての貢献を目指すとともに、お客さまの暮らしをより豊かにするためのサービスを提供していきます。
東京ガスは、地域社会や企業にとっての多様なニーズに応えるため、エコシステムを構築し、その中でさまざまな価値を共創していくことを掲げています。この新たなサービスの提供により、持続可能な電力供給の未来が拓かれることを期待しています。