高橋安幸の受賞作
2025-03-03 17:52:07

ミズノスポーツライター賞に初受賞した高橋安幸の新著に迫る!

新たな歴史を紡ぐ作品



2024年7月、集英社から発刊された『暗躍の球史根本陸夫が動いた時代』が第35回ミズノスポーツライター賞の優秀賞を受賞した。この作品は、プロ野球の裏側を鮮やかに描いたノンフィクションであり、「球界最後のフィクサー」と称される根本陸夫の知られざる姿を探求している。

著者の高橋安幸氏は、フリーランスとして活動するベースボールライターであり、その豊富な経験を活かし、昭和から平成までのプロ野球に関する作品を多く手掛けてきた。今回の作品は、根本陸夫がどのように弱小球団を常勝軍団へと変貌させたのかを深く追求するものである。特に、福岡ダイエーホークスにおいては、彼の後任として国民的人気を誇る王貞治を指導者として迎えるなど、その戦略的な意図は注目に値する。

根本陸夫の実像



本書では、情報網や人脈を駆使し、戦後の闇市での経験や、財界との関係を築いていく中での根本陸夫の手腕が詳述されている。彼の行うドラフト戦略や、大型トレード、さらにはルールに触れるグレーゾーンを活用する手法は、まるで魔法の使い手かのように映る。しかし、このような成功の裏にはどのような努力や苦悩があったのか、多彩な証言を通じてその実像が浮かび上がる。

浦田直治や黒田正宏といった根本の近しい側近たちからの新証言が盛り込まれ、彼らがどのように見ていたのかも重要な視点である。また、栗山英樹や松沼博久、渡辺久信といったその他の野球人たちの言葉を通じて、根本陸夫の真の姿—成功と失敗、栄光と挫折—が描かれている。

書籍の魅力



『暗躍の球史根本陸夫が動いた時代』は、その384ページにわたって、後世に語り継がれるべき数々のエピソードに彩られている。根本がいかにして球団を支え、改革したのか、その両面性が相まって魅力を持つ。この作品を通して、読者は単なるプロ野球の裏話に留まらず、各々の選手や監督たちの人生にも深く触れることができる。

高橋氏は日本大学芸術学部を卒業後、出版社勤務を経て、独立した背景を持つ。彼の著書には『根本陸夫伝プロ野球のすべてを知っていた男』などがあり、野球界における詳細な知識と取材力が光る。これまでの多くの作品同様、今回の受賞作もまた高橋氏の豊かな探求心と鋭い視点が色濃く反映されている。

ミズノスポーツライター賞とは



ミズノスポーツライター賞は1990年度から続く賞で、スポーツに関する優れた作品やその著者を顕彰している。スポーツ文化の発展を願い、同時に若手スポーツライターの励みとなることを目的に創設された。この受賞は、高橋安幸氏のこれまでの業績と努力が認められた証といえるだろう。

この受賞により、多くの人が根本陸夫の伝説的な業績に再び目を向けるきっかけになるだろう。今後の高橋氏の新たな著作にも期待が寄せられている。


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会社情報

会社名
株式会社集英社
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東京都千代田区一ツ橋2-5-10
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