愛知県の未利用魚を使ったフィッシュバーガー開発
名古屋に本店を構える魚屋寿商店が、愛知県の子どもたちと協力して、未利用魚を利用したフィッシュバーガーの開発に取り組むことを発表しました。このプロジェクトは「海と日本プロジェクト」の一環として進められ、「愛知の海がワヤになってまう」というテレビ愛知の番組ともタイアップしています。
未利用魚とは何か?
日本では、食べられるにもかかわらず、売れないために破棄されてしまう魚が多く存在します。その原因は様々で、鮮度管理が難しかったり、一般市場で人気がないために扱われないものが多く、これが“未利用魚”と呼ばれています。最近では、旬を迎えるサンマや水揚げ制限がかかるマグロのように、魚離れが進んでいる現状があります。
プロジェクトの狙い
寿商店は、未利用魚を積極的に活用することで、地域の魚食文化を活性化させ、若い世代にも魚料理を楽しんでもらえるようなを提案しています。子どもたちとの共同作業を通じて、彼らの視点からアイデアを得ることで、より魅力的で手に取りやすい商品を生み出そうとしています。
子どもたちの疑問
取材中、子どもたちが興味を持ったのが「アイゴ」という魚です。アイゴは見た目の印象や鮮度の管理から、あまり知られていない魚ですが、実はとても美味しいといいます。市場関係者に聞くと、「アイゴは未利用魚の中でも特に美味しい」との声が多数寄せられました。これは、地元の人々にとっても身近な存在であり、寿商店でもこれまで扱ってきた実績があります。
クッキング体験
子どもたちは、アイゴを使ってどのようなフィッシュバーガーを作るか、さまざまな意見を出し合いました。「手に取りやすい形状」「味を生かした新しいスタイル」が鍵となりました。最終的に、アイゴを使った2つのメニューが開発されました:1つは「アイゴと若芽かき揚げの和風バーガー」、もう1つは「アイゴと昆布の青海苔タルタルバーガー」です。
試食会と販売へ
これらのメニューを地域の消費者向けに、オンラインアンケートと試食会で評価し、最終的な商品化を目指します。開発したフィッシュバーガーは、2024年10月19日に豊田スタジアムで行われる名古屋グランパスのホーム試合で、限定100個販売される予定です。子どもたちは、この魅力的な商品を広めるためのプロモーションも考えており、販売に関わることが期待されています。
YouTubeでの情報発信
この取り組みの様子やアイゴバーガーの開発過程は、YouTubeチャンネル「魚屋の森さん」で公開されます。魚の調理方法や美味しさを広めることで、魚離れの解消を目指します。さらに、今回のプロジェクトは地域を超えた魚食文化の普及ともいえるでしょう。
結び
寿商店が取り組むフィッシュバーガー開発プロジェクトは、海と日本、そして愛知の未来を見据えた取り組みです。子どもたちが主体となり、自ら考え、行動することで、かつての魚食文化の復活につながることを期待しています。愛知県における、このユニークな試みから目が離せません。