基礎研究の新領域
2016-10-17 11:57:28

日本の未来を切り拓く新たな基礎研究の領域が決定

日本の未来を切り拓く新たな基礎研究の領域



近年、日本において科学技術の進展は目覚ましく、基礎研究の重要性がますます高まっています。特に、戦略的創造研究推進事業において新たに選定された研究領域が、大きな期待を集めています。これらの研究領域は、日本が直面する重要課題に取り組むための基盤となるシーズを生み出すことを目的としています。新たに決定された研究領域には、以下の3つが含まれています。

1. 巨視的量子機械



この領域は東京大学の中村泰信教授が総括を担います。量子情報科学は、未来の情報社会における根幹を支える重要な分野であり、量子状態の制御が鍵となります。中村教授は超伝導量子ビットを用いた技術を進化させ、高精度な量子状態の制御と観測技術の確立を目指しています。将来的には、誤り耐性を持つ量子情報処理を実現し、さまざまな計算へ対応できるプラットフォームを開発することが期待されています。さらに、異種の物理系と統合したハイブリッド量子系の構築により、量子情報処理技術の可能性を大幅に広げる取り組みも進められます。

2. オルガネラ反応クラスター



理化学研究所の沼田圭司チームリーダーが担当するこの研究領域では、植物を用いた環境適応型の物質生産技術の構築が目標です。特に、植物の細胞内小器官(オルガネラ)の相互作用を理解することで、物質生産能力を高め、それに基づく新たな生物生産システムを創出します。この研究の進展によって、気候変動に対応するための持続可能な食料供給システムの構築が期待されています。

3. メタ数理システムデザイン



東京大学の蓮尾一郎准教授が総括するこの領域では、製造業における設計から生産までのプロセスを革新するため、数学的なモデルの構築が目指されています。特に、工業製品開発に必要なソフトウェアツールの構築を通じて、品質保証や効率化を図ります。形式手法を用いた新たなソフトウェアの設計技術を導入し、自動運転車など複雑化する製品の要求に応える体制を整えることが目標です。

日本の基礎研究が新たなステージに向かう中で、これらの研究領域は、国の科学技術イノベーションを推進する重要な役割を果たすことが期待されています。これにより、我が国が直面する課題に対する解決策を模索し、新たな科学のフロンティアを開拓することが求められています。

本事業は、国(文部科学省)の戦略目標に基づき、最大12億円の研究費が提供されることから、若手研究者の参加も促進され、ダイナミックな研究が展開されることになっております。科学技術の進歩が国全体に恩恵をもたらすことを、私たち全員が期待してやみません。

会社情報

会社名
国立研究開発法人科学技術振興機構
住所
東京都千代田区四番町5番地3サイエンスプラザ
電話番号
03-5214-8404

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。