事業戦略と人事の整合性、わずか1.6%の上場企業が具現化
組織人事総合研究所株式会社(以下、OPRI)が発表した「事業戦略と人事の整合性調査2026」の結果により、事業戦略と人事がそれぞれどのように結びついているかを具体的に示すことができた上場企業は、わずか34社、全体の1.6%に過ぎないことが明らかになりました。
調査の概要
この調査は、東証スタンダード・グロース市場に上場している2140社の有価証券報告書を全数精査し、事業戦略の記述と人事の記述の接続の深さを評価したものです。大きく5つの型に分類し、接続の具合がどれほど具体化されているかを判定しました。
結果の分析
結果として、D仕組み接続型(具体的な人事の仕組みが戦略に基づく記述)は34社、すなわち1.6%に留まりました。この結果について、調査の背景を見ていくと、人的資本に関する情報が2023年の有価証券報告書から義務化されたことが影響しています。それにより、企業は「人について書くだけ」ではなく、戦略と人事の接続が求められるようになっています。
全体の構成比をみると、最も多かったのはA 独立記述型827社(38.6%)で、これは人材についての一般的な考え方が示される一方で、事業戦略に結びついた記述はありません。一方、C 取り組み接続型は819社(38.3%)で、自社の事業内容を理由に人材の取り組みが記述されていますが、やはり具体的な仕組みにまでは言及されていません。
経営リスクと接続の重要性
この接続に関する記述の有無は、企業にとって経営リスクともなり得る重要な要素です。投資家は人材戦略が成長戦略とどのように結びついているかで、その企業の持続可能な成長性を評価しようとしています。求職者にとっても、戦略的接続が示されている企業は、その企業で働く意味をより深く理解できるでしょう。
代表取締役の中北順也氏は、「1.6%という数字は、接続を記述で示せること自体が際立つ段階にあるという観測であり、仕組みが戦略に結びついているかが判断されるべきです」と述べています。このことは、企業が自社の人事施策と事業戦略の接続を点検し、明確に示す必要性が高まっていることを意味します。
未来の調査と展望
本調査は今後も継続し、同じ指標での定期的な観測を行う予定です。将来的には、接続の中身についてさらに深掘りした第2弾レポートが2026年11月に発行される予定となっています。これにより、企業は自らの人事施策を戦略とどのように結びつけているかを評価・改善する機会を得ることになります。
OPRIが提供する無料のレポートは一般にも公開されており、企業がどのように課題を克服し、戦略と人事の融合を図るかが期待されています。詳細はOPRIのウェブサイトをご覧ください。
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