生成AIとともに進化する小さなきのこ園
群馬県北部、谷川岳の麓にある「有限会社月夜野きのこ園」は、2026年2月4日に公式サイトを全面改訂した。このプロジェクトには、生成AIを活用し、蓄積された膨大なデータを整理・再構築するという挑戦が込められている。すでに未記載の9,600ページ以上のコンテンツが存在しており、社内のことだけで進める「内製化」として完成したことは注目に値する。
リニューアルの背景
同社には、顧客とのやり取りから蓄積された「熱量」の高いアナログデータが数多く存在したものの、その情報が多すぎて適切に活用されていなかった。生成AIを導入することで、貴重な飼育データを整理・可視化しやすくすることが可能だった。これにより、現代のスマホユーザーでも容易にアクセスできるプラットフォームへと進化した。
「集合知」データベース機能の実現
新しく実装されたデータベースには、5,000件を超える飼育実績が含まれている。このデータは、ユーザーが実際に使用し記録したもので、特に「国産オオクワガタ」や「ヘラクレスオオカブト」など、成功例や失敗談が具体的にまとめられている。
教科書には載っていないリアルな攻略法が掲載されており、「どの菌糸ビンで」、「どのくらいの期間で」など具体的な実績がまとめられている。
ブリード成功のための産卵セットの組み方が詳細に記録されており、成功事例や失敗談も含まれているため、次世代の飼育者にとって非常に多くの学びが得られる。
ユーザーとの「絆」を大切に
同社の最大の資産ともいえる、ユーザーから寄せられたファンレターやメッセージもデジタルアーカイブとして整備されている。
- - おハガキ紹介には1,800通を超える励ましの言葉やイラストが掲載され、ファンとの交流の歴史が垣間見える。
- - 「みんなの飼育部屋」や「みんなのクワカブ」も新設され、実際のユーザーの飼育環境や工夫を共有することで新たな交流が生まれる場となっている。
担当者の思い
Web担当者は「AI技術を用いていますが、私たちが大切にしたかったのは顧客とのつながりや先人たちの知恵」と述べており、技術とアナログ文化の融合を図ったリニューアルがいかに特別なものであるかを強調した。この取り組みを通じて、クワガタ・カブトムシの飼育文化の楽しさを広め、多くの人に「やってみたい」と思わせることを使命としている。
企業概要
有限会社月夜野きのこ園は、1992年に創業し、きのこ生産やクワガタ・カブトムシの飼育用品の製造・販売を行っている。近年では、群馬県立ぐんま昆虫の森との連携や地元イベント参加を通じ、地域の観光振興にも貢献している。
今後も、彼らは地域の特産品を通じた交流の場として、みなかみ町を「クワガタ・カブトムシの聖地」として育んでいくことを目指している。