東北大学のKamLANDにスーパークリーンルーム誕生
ニュートリノ研究の最前線
最近、株式会社RYODENが岐阜県飛騨市にある東北大学ニュートリノ科学研究センターに、ISO14644規格・クラス1に準拠した水準のスーパークリーンルームを建設しました。この施設「KamLAND(カムランド)」は、地下1,000メートルに位置し、素粒子物理学の最前線で活躍している観測施設です。
スーパークリーンルーム建設の意義
「KamLAND」では、ニュートリノの観測が行われており、梶田隆章氏のノーベル物理学賞受賞に寄与した研究の一部でもあります。これまで素粒子検出用のバルーンは、仙台市に設けられたクリーンルームで製作されてから「KamLAND」まで運搬されていましたが、研究の進展とともに、より高性能なクリーン環境が求められるようになったのです。
今回のスーパークリーンルームの建設により、バルーンを「KamLAND」の施設内で製作できるようになり、クリーンな状態を維持したまま素粒子の観測作業を進めることが可能となります。
驚異の清浄度
クリーンルームの清浄度は、空気1立方メートル中に0.1μmの粒子が10個以内というISOCクラス1の基準を満たしており、一般的な病院の手術室の約10万倍、半導体工場の約100倍にあたる高水準の清浄性を誇ります。このクリーンルームは、RYODENの冷熱システム部門が長年の技術と経験を基に完全自社設計で実現したものです。特殊な地下環境を最大限に利用し、「KamLAND」に隣接する形で設置されています。
今後の期待と研究への貢献
建設されたスーパークリーンルームは、既に世界の素粒子検出技術の最高水準とされています。この新施設によって、ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊の発見に近づくことが期待されています。これは、世界中の素粒子物理学者たちが注目する重要な研究テーマであり、今後の成果に期待が寄せられています。
RYODENの企業理念
株式会社RYODENは、人とテクノロジーをつなぎ、未来を共創するエクセレントカンパニーを目指しています。2000社を超えるパートナーと提携し、常に新しい技術を融合し、未来のソリューションを創造することに力を注いでいます。基幹事業としてのFAシステム、冷熱ビルシステム、エレクトロニクスの技術を活かし、医療やスマートアグリ、脱炭素といった社会課題への取り組みも行っています。
新たなスーパークリーンルームの稼働は、日本の素粒子物理学のさらなる発展に寄与し、宇宙の起源を探る旅に新たな希望をもたらすことでしょう。今後の研究成果に期待が集まります。
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