アフリカ農業の未来
2025-08-18 12:02:35

アフリカの未来を変える環境再生型農業の重要性

環境再生型農業を通じたアフリカの食料システムの変革



環境再生型農業は、持続可能な農業を実現するための重要な手段であり、特にアフリカの食料システムにおいてその重要性は計り知れません。この分野の革新を促進することを目的として、2025年8月22日(金)に横浜で開催される第9回アフリカ開発会議(TICAD9)の公式イベントでは、国内外の農業リーダーが集まり、持続可能な食料システムについて具体的な取り組みを議論します。

土壌の健全性が未来の農業を決定する


健全な土壌は、農業における生産性と持続可能性を維持する基盤です。しかし、気候変動や過剰な土地利用によって、世界各地で土壌の劣化が進行しています。この土壌劣化は、農業生産の信頼性を脅かすだけではなく、気候変動を加速する要因ともなり得ます。アフリカの農業においては、収穫量の向上だけでなく、アグリビジネスの発展や気候変動に対応したバリューチェーンの構築が求められています。このような背景の下、アフリカでは「アフリカ土壌イニシアティブ(SIA)」が進められ、土壌の改善と持続可能な農業の推進が図られています。

アフリカ土壌イニシアティブ(SIA)の目的と成果


2024年にケニアで開催されたアフリカ肥料・土壌健全性サミットでは、「ナイロビ宣言」が採択され、土壌改善のための行動計画に合意がなされました。この会議は、過去の「アブジャ宣言」や「マラボ宣言」の流れを汲むもので、土壌の健全性を確保することの重要性が改めて強調されました。アフリカ連合委員会(AUC)が主催し、同会議ではロシア・ウクライナ戦争による肥料の価格高騰への対応も議論されました。SIAのもと、一般財団法人ササカワ・アフリカ財団(SAA)は、農業普及と人材育成の分野で活動を強化し、アフリカの土壌再生に向けた取り組みを進めています。

国際シンポジウムでのリーダーたちの議論


シンポジウムには、小泉進次郎農林水産大臣や国際農業研究協議グループ(CGIAR)の最高執行責任者など、国内外の農業分野を牽引する著名なリーダーたちが登壇します。彼らは持続可能な食料システム構築にむけた具体的な議論を交わし、今後の方針を定めていくことになります。

ササカワ・アフリカ財団の活動と役割


1980年代のアフリカの飢饉を契機に設立された一般財団法人ササカワ・アフリカ財団(SAA)は、アフリカの16カ国以上で農業普及事業を展開しています。特にエチオピアやナイジェリア、ウガンダでは、約170名の現地スタッフが小規模農家への農業普及活動を通じて、農業技術の向上と新たな雇用創出に力を入れています。2025年8月20日にはアフリカ連合委員会(AUC)と戦略的パートナーシップに関する覚書を締結予定です。

環境再生型農業の理念とアプローチ


SAAが推進する環境再生型農業は、土壌の健全性を回復させ、農地を肥沃で生産性の高いものにすることを目指しています。このアプローチは、耕起を最小限に抑え、土壌のマルチングや作物の多様化を通じて環境への負荷を軽減する保全農業に基づいており、さらに改良品種や肥料、農薬を利用した総合的土壌肥沃度管理が組み合わされています。

このように、環境再生型農業はアフリカの農業を変革し、持続可能な発展を実現するためのカギとなるでしょう。今後のシンポジウムでの議論が、具体的な進展へとつながることが期待されています。


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会社情報

会社名
一般財団法人ササカワ・アフリカ財団
住所
東京都港区虎ノ門1-15-16笹川平和財団ビル3階
電話番号

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