三菱電機の三相モータ事業が荏原製作所に譲渡されることに
2025年11月12日、三菱電機株式会社がその三相モータ事業を荏原製作所に譲渡すると発表しました。この合意により、三菱電機名古屋製作所新城工場とタイの子会社Mitsubishi Electric Automation (Thailand) Co., Ltd. の事業が移管されることになります。譲渡完了は2026年中を予定しており、業界ではこの新たな展開に大きな注目が集まっています。
譲渡の背景と目的
モータは、ポンプや風機といった産業機械の動力源として非常に重要です。現在、国内の総消費電力量の約55%がモータによるものであり、日常生活の様々な場面で欠かせない存在です。近年の脱炭素化の動きに伴い、産業機械における省エネニーズも急速に高まっています。
荏原製作所は、このニーズに応えるべく、長年の流体技術や回転機械技術を活かし、建築市場や産業設備市場向けにポンプや送風機、冷却機器の製造・販売・アフターサービスを行なっています。特に最近では、インバータ内蔵のPMモータを搭載した製品が好評を博し、省エネ対応を一層進めている状況です。
事業譲渡の詳細
譲渡対象事業
1. 三菱電機名古屋製作所新城工場で製造される三相モータおよびIPM(内部永久磁石)モータ事業
2. タイの三菱電機子会社が展開する産業用モータ、ポンプおよびダイカスト事業
譲渡を通じてのシナジー創出
荏原は本件により、モータ製造に関連する重要な資産や技術を引き継ぐことで、グローバル市場での事業成長を加速させる狙いです。また、これまで三菱電機が持っていた省エネ技術や顧客基盤、人材を承継することによって、製品提供にとどまらず、自社の省エネソリューションや予知保全といった高付加価値サービスの展開を推進していくとのことです。
三菱電機においても、今後はFAデジタルソリューションやコアコンポーネント事業に経営資源を集中させ、技術革新を進めていく意向を示しています。三相モータ事業は、約100年の歴史を持ち、高度な技術の蓄積があるため、そのノウハウが荏原に渡ることは産業界の新たな成長をもたらすでしょう。
今後の展望
荏原は三菱電機から取得した資産や技術を活用し、今まで以上に効率的な生産体制を整えることで、脱炭素化の推進に寄与することを目指しています。両社の統合によって創出されるシナジーを最大限に活かし、グローバル市場でのプレゼンスを高めるための取り組みが期待されます。
結論
三菱電機の三相モータ事業の譲渡は、単に経営の再編成を意味するだけでなく、産業全体の省エネや効率化を進めていくための重要なステップです。今後の両社の展開から目が離せません。