窒化ケイ素基板研究
2025-01-30 11:49:16

産総研と日本ガイシが共同研究を開始、窒化ケイ素基板の評価手法を革新

産総研と日本ガイシが窒化ケイ素製セラミック基板の評価手法を共同研究



最近、産業技術総合研究所(産総研)と日本ガイシ株式会社は、窒化ケイ素(Si3N4)製のセラミック基板に関する重要な共同研究を開始しました。この研究は、パワー半導体モジュールにおける熱拡散率評価手法の高精度化を目指しており、将来的にはJIS(日本産業規格)改正に寄与することが期待されています。

窒化ケイ素製セラミック基板とは?



窒化ケイ素製のセラミック基板は、特に電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)のモーター制御用インバーターなどで活用される、非常に重要な部品です。これらの基板は、パワー半導体モジュールの動作中に生じる熱を効果的に散逸させる役割を持っています。基板が薄型であり、熱拡散率が高ければ高いほど、パワー半導体モジュールの動作効率が向上します。

EVとHEVの普及が進む中で、ますます多くのパワー半導体モジュールが求められ、高性能な薄板基板に対する需要も高まっています。しかし、0.5ミリメートル以下の薄型基板については、既存の評価手法が確立されていないため、測定結果の同等性を確保するのが難しいという課題が存在しているのです。

産総研と日本ガイシの連携



この共同研究では、産総研が持つ深い知見と、日本ガイシの先端的なセラミック基板技術を融合させ、基板の熱拡散率測定にかかる前処理工程の定量化を実施します。この取り組みにより、これまでJISで規定されていなかった0.5ミリメートルよりさらに薄型の基板に関する評価手法を実証しようとしています。また、測定値の精度向上と評価手法の標準化を視野に入れた研究が進められています。

日本ガイシは、この共同研究を通じて絶縁放熱回路基板の信頼性を高めることを目指しており、自社のセラミック技術と製品提供を通じて社会課題の解決に寄与していくとしているのが印象的です。これにより、彼らは新たな社会的価値を創出し、持続可能な未来を構築する一翼を担うことができるでしょう。

AIST Solutionsの役割



AIST Solutionsは、2023年4月にスタートした組織で、産業界の課題解決と競争力強化を目指しています。この企業は、産総研とパートナーシップを組み、科学技術を駆使してオープンイノベーションを推進しています。

日本ガイシについて



日本ガイシは、1919年に設立された総合セラミックメーカーで、独自の技術により多くの社会課題を解決してきました。エネルギー、モビリティ、IT、産業分野において世界中で事業を展開しています。また、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みもしっかりと行っており、新たな技術と製品の開発を行っています。

結論



この産総研と日本ガイシの共同研究は、窒化ケイ素製セラミック基板の評価手法における革新を目指しており、EVやHEV市場での競争力向上に貢献することが期待されています。技術の進展は、持続可能なエネルギー利用を促進し、環境保護にも寄与する可能性を秘めています。今後の研究成果に大いに期待が寄せられています。


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会社情報

会社名
株式会社AIST Solutions
住所
東京都港区西新橋1-1-1日比谷フォートタワー 10F
電話番号

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