沖縄ゆいまーるプロジェクトがもたらす交通安全と観光活性化の成果

一般財団法人トヨタ・モビリティ基金（TMF）が、沖縄県警察本部などと連携して進める「沖縄ゆいまーるプロジェクト」は、交通事故削減と観光活性化を目指しています。このプロジェクトは、継続的な成果を上げつつあり、2023年の活動内容とその成果について詳しくご紹介いたします。

プロジェクトの背景と目的

TMFは、交通事故ゼロ社会の実現を目指し、啓発活動、安全な車の開発、交通環境の整備の三要素を組み合わせた取り組みを行っています。この取り組みの一環として、沖縄ゆいまーるプロジェクトをスタートし、地域の特性に応じた交通安全対策を推進しています。

新しい連携パートナーとの協力

2023年4月から、TMFは新たに株式会社アイシンをプロジェクトの連携パートナーとして迎え入れました。これにより、さらに観光振興や渋滞解消、そして希少野生動物の交通事故防止に向けた取り組みが強化されることが期待されています。

施策の具体的成果

1. インフラ対策

TMFは、警察の事故データとトヨタ車両のデータを分析し、ドライブレコーダーの映像データも活用した新たな分析手法を導入しました。これにより、以下のような事故削減効果が確認されています。

- 旧伊佐交差点：事故多発地点に速度抑制ポールを設置した結果、事故率が約6割減少。
- 若狭IC（那覇空港近辺）：滑り止め塗装を施したことで、事故率が約7割減少。

このような具体的な実績は、行政機関との連携の賜物です。

2. リスクマップの作成

TMFは、東京海上日動と協力し、AIを活用して警察の事故データや車両データを分析しています。これにより、事故の潜在的危険箇所を地図上に表記する「リスクマップ」を作成し、事故防止に寄与しています。今後も、沖縄県警察本部と協議しながら、データの有効活用を進めていく予定です。

3. 安全運転の促進

トヨタレンタリース沖縄では、貸し出し車両のマルチメディア画面を使用し、キャラクター「ゆいまるくん」が運転の状態を表示します。これによって、運転者は周囲の危険箇所について周知され、事故や危険な行動が大幅に減少しています。また、外国人観光客にも多言語対応のため、効果が期待できています。

今後、沖縄全域の店舗に機能を拡充し、希少野生動物の保護に向けた通知システムも導入する計画です。

4. 渋滞解消への取り組み

プロジェクトでは、渋滞が発生しやすいポイントを把握し、信号調整などで渋滞を緩和する取り組みも行われています。特に、那覇空港近辺では常態化した渋滞を解消するため、地域の皆さまと協力し、解決策を模索しています。また、観光客の渋滞要因を軽減するため、北部エリアから南部観光を推奨するルートを提案し、訪問数が2倍に増加したという成果もありました。