株式会社アプリックス(本社:東京都新宿区)は、リテールメディアプラットフォーム「BRIDGE AD」の提供を開始したと発表しました。この新しいプラットフォームは、消費者の生活動線に合わせて、最適なタイミングで広告を届ける仕組みを提供します。BRIDGE ADは、小売事業者や流通業者が持つデジタルサイネージ、オウンドメディア、公式アプリを活用して、広告主からの広告を効果的に配信する新たなビジネスモデルです。この仕組みを通じて、小売業者が保有するファーストパーティデータを駆使し、個々の消費者に合ったパーソナライズされた広告を配信することが可能になります。
近年、プライバシーへの配慮からサードパーティCookieの使用が減少している中、ファーストパーティデータの重要性が高まっています。従来の手法では捉えきれなかった、リアルタイムでの消費者の行動に基づいた広告配信が可能となるリテールメディアは、このような背景から急成長が見込まれる分野です。BRIDGE ADは、オンラインとオフラインをシームレスに結びつけることで、消費者と広告主の間に最適な接続を提供します。
BRIDGE ADの初期の取り組みとして、2025年春に全国の大手小売事業者の店舗でデジタル広告配信を開始する予定です。このプラットフォームでは、適切な広告を適切なタイミングで配信するために、ビーコン技術を用いて店舗や駅の近くにいる消費者に対してプッシュ通知などで広告を表示します。
BRIDGE ADは、まずターゲットを定め、その後広告を配信するアプリとロケーションを組み合わせることで、そのライフスタイルに合わせた広告を届けます。これにより、従来の広告手法ではなかなか実現できなかった、個別の消費者に対する高精度のターゲティングが実現します。
また、広告主は広告出稿費用をアプリパートナーやロケーションパートナーと分配する収益シェアモデルが採用されています。これにより、ロケーションパートナーにとっては新たな収益源が生まれ、アプリパートナーにとってはユーザー数の増加というインセンティブが生まれます。この三者にとってのメリットが、BRIDGE ADの強みとなります。
将来的には、リアルタイムでの購買データに基づく広告配信や、Neutrix Cloudを活用したコスト削減、さらには同業他社との提携を進めることで、業務の拡大を図っていく方針です。これにより、BRIDGE ADは全国談規模の位置情報広告配信ネットワークを築き上げ、消費者と広告主に新たなコミュニケーションの場を提供するとしています。
10年後には40億円の売上高を目標に掲げ、ビーコンの設置店舗数を全国40,000拠点にまで拡大する構想も明かされました。異業種との連携を進めながら、マルチクラウドストレージの活用による事業基盤の強化も図るアプリックスは、リテールメディア市場の隆盛を見越した施策を着々と進めています。消費者にとっても、広告主にとっても、利益がなければ意味がないという考えのもと、新たな接点を確保するBRIDGE ADの動向は、今後の広告業界に一石を投じる存在となることでしょう。