深海魚と未来を考える!
2024年6月22日から始まった「深海深掘り調査隊~深海魚を調査利用して三陸沖の未来を見つけよう~」は、宮城県の仙台市や石巻市で開催された学習イベントです。このイベントに参加したのは、宮城県内の小学5・6年生の子どもたち20人です。深海魚についての理解を深め、三陸沖の未来に関する意識を高めることを目的としています。
イベントの概要
開催日程と場所
- - 開催日:2024年6月22日(土)、7月29日(月)、9月14日(土)
- - 開催場所:仙台市、石巻市、仙台うみの杜水族館
このイベントでは、宮城県沖合底びき網漁業協同組合が持つ、500m以上の深海を専用にした漁場の魅力を子どもたちに伝えるため、様々な活動が行われました。
第1回 深海深掘り調査隊
2024年6月22日、参加者たちはまず石巻市へ向かいました。そこで、石巻魚市場を訪れ、深海魚の観察を行いました。石巻専修大学の鈴木教授から深海魚や未利用魚の紹介を受け、最近の海水温の変化によって獲れるようになった魚の種類も知ることができました。子どもたちは、普段は見ることができない魚を目の前にし、熱心にメモを取っていました。
その後、石巻漁港での漁船見学も行いました。底引き網漁船や遠洋漁船の実際を間近で観察し、漁業の現場を体感することができました。さらに魚肉加工工場では、深海魚がどのように加工されているかを間近で見る貴重な体験をし、深海魚が私たちの食卓に届く過程を学びました。
第2回 深海深掘り調査隊
7月29日、子どもたちは仙台うみの杜水族館での活動に参加しました。この日は、深海魚の飼育方法を学びました。普段入ることができない水族館のバックヤードも見学し、驚きの声が上がりました。また、飼育員が深海魚を解剖する様子も見学し、魚の内臓の構造について詳しく学びました。
その後、近くの明成高校で、生徒たちと共に深海魚を調理する体験をしました。初めて包丁を使う子も多くいましたが、高校生たちに教わりながら、メヒカリの唐揚げなどを美味しく調理しました。子どもたちは新しい食材を喜んで味わい、感激の様子でした。
第3回 深海深掘り調査隊
9月14日、最終日の活動では、石巻魚市場で深海魚について学んだことを基に、4つの班に分かれて“深海魚深聞”という新聞を作成しました。自ら深海魚の絵を描いたり、俳句を作るなどしながら、創造力を発揮しました。作成した新聞は、地元の商業施設に掲示され、多くの人々にその成果を伝える予定です。
参加者の声
参加した子どもたちからは、深海魚に関心を持つようになったという声が多く寄せられました。ある子どもは、深い海にこんなに多くの魚がいることが驚きで、海の環境を守る大切さを感じたと述べました。また、全国の水族館を訪れ、地域の深海魚について学びたいという意欲を示す子もいました。
このイベントを通じて、子どもたちは海の豊かさや深海魚に関する知識を深めながら、未来に向けて積極的な意識を持つようになったことが伺えます。これからも、海と向き合い、宮城の自然を大切にする心を育んでいくことが期待されます。
団体の概要
このイベントは一般社団法人海と日本PROJECTinみやぎが主催しました。海の大切さを再認識すべく、様々な活動を展開しており、子どもたちに向けての教育イベントを通じて、持続可能な海の未来を育むことを目指しています。