強磁性窒化鉄の可能性
2024-09-18 11:50:44

新しい強磁性窒化鉄系ボンド磁石が実現した高効率モータの未来

新たなボンド磁石の開発



三恵技研工業株式会社、株式会社Future Materialz(FMC)、国立大学法人東北大学の研究チームが、小型モータ向けに革新的なボンド磁石を開発しました。この新しい磁石は、従来のネオジムボンド磁石と同等の特性を持ちながら、全くレアアースを含まない強磁性窒化鉄を利用している点が大きな特徴です。この研究成果は、省エネルギーの実現や持続可能な資源活用に貢献するものとして注目されています。

硬さと効率の向上への取り組み



現在、国内の消費電力の相当部分がモータに依存しています。そのため、モータの効率を向上させることは、エネルギーの節約やカーボンニュートラル社会を実現するために不可欠です。特に、ネオジムなどのレアアースを使用した高性能な永久磁石は、その強力さから多くのモータに使用されています。しかし、レアアース資源は特定の国に依存しているため供給リスクがあることから、その使用量を減らす技術が要求されています。今回の開発は、レアアースの使用を抑えつつ高性能な磁石を提供するものとして意義があります。

強磁性窒化鉄の特長



1972年に東北大学の高橋實教授により提唱された強磁性窒化鉄は、今や単相の強磁性窒化鉄粉末を大量生産できる技術が確立されてきました。理論的には、この新しい磁石はネオジム磁石を上回る性能を持つ可能性があります。また、鉄と窒素から成るこの金属間化合物は、原材料の調達リスクが低く、持続可能な開発の観点からも適しています。

新しいボンド磁石の開発・成形技術



今般の強磁性窒化鉄系ボンド磁石は、強磁性窒化鉄とサマリウム鉄窒素という二つの異なる成分を組み合わせて作られています。これにより、ネオジムを使用せずに強力な特性を持つ磁石が実現しました。この技術に関する研究は、独自の製造技術の向上とともに、最適な機能を引き出すための調整が可能で、様々な用途に適応できる柔軟性を持っています。

研究の成果と今後の展望



本磁石は、今後のモータ技術の発展に寄与するもので、さらなる性能向上に向けた探求が続けられます。三恵技研、FMC、東北大学は共同で、この磁石の大量生産技術の開発も進めており、多くの企業や消費者に新たな価値を提供できるよう努めます。

總括



新たに開発された強磁性窒化鉄系ボンド磁石は、高性能で省エネなモータの実現に寄与し、今後も様々な領域での活用が期待されます。その結果、持続可能な社会へ向けた更なる進展が見込まれます。今後の研究開発がどのように展開されていくのか、多くの関心が寄せられることでしょう。


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