長崎市での新たな漏水調査手法に向けた取り組み
2024年、長崎市の上下水道局とwavelogy株式会社が手を組み、革新的な漏水調査方法の実証実験を開始します。この新しいアプローチは、AIを駆使して漏水音を診断するシステム「SuiDo_AI」を基にしており、漏水の可視化を進めることで有収率の向上と持続可能な水道業の運営を目指しております。
背景にある課題
現在、日本全体で年間18万件を超える漏水事故が発生し、それに伴い約1800億円の経済的損失が生じています。特に水道インフラの老朽化が顕著になり、人材不足や調査コストの高騰といった問題が深刻化しています。また、従来の漏水調査方法では、技術評価が難しく、効率的なデータ活用が困難でした。wavelogyは、これらの課題を解決するために、新しい技術を導入し、漏水調査を効率的かつ効果的に行う手段を模索しています。
実証実験の具体的な内容
実証実験は令和7年3月末までを予定しており、主に以下の内容が行われます。
- - 漏水音データの収集
- - 「SuiDo」を用いた漏水調査の検証
- - AIによる調査補助の効果測定
この実証実験では、wavelogy社が持つICT技術や音景解析技術を活用し、漏水音データをもとにAIが漏水を検知するモバイルシステム「SuiDo_AI」の開発を進めています。システムは、漏水音アップロードデバイスやGISプラットフォームを活用して、漏水音をオンラインで共有し、漏水地点の予測、報告の生成を自動化します。その結果、現在の漏水判断業務の80%をAIに置き換え、調査作業の効率が大幅に向上すると目指しています。
未来を見据えた取り組み
wavelogy株式会社は、「音を認識し新しい産業を創出する」ことを掲げ、音に基づくインフラ整備を進めています。また、有収率向上のための取り組みだけでなく、全ての生活環境を支える音のインフラとして社会に貢献していくことを目指しています。
会社概要
- - 会社名: wavelogy株式会社
- - 本社所在地: 東京都文京区本郷6丁目25番14号 HONGO EGG内
- - 支店所在地: 長崎県佐世保市早苗町609
- - 代表取締役: 道上竣介
- - 問い合わせ先: 公式サイト
この実証実験が成功すれば、漏水調査の未来は大きく変わっていくでしょう。今年の春、長崎市がその第一歩を踏み出すことになります。