大阪府泉大津市は、9月3日、留学生を対象にした新たな防災教育プログラム「外国人避難インフルエンサー講座」を実施します。この取り組みは、大阪880万人訓練の日に合わせて行われ、約30名の留学生が参加します。市内のテクスピア大阪で行われるこの講座は、国際的な視点から防災の重要性を認識してもらうためのものです。
プログラムでは、まず日本の災害の基本的な知識を学び、その後、命を守るための具体的な行動や、避難の方法について訓練を受けます。特に、避難所の設営や生活についても実践的な体験を通じて学ぶことができます。さらに、受講後は自らの経験をSNSを通じて発信し、他の外国人にも情報を届ける「避難インフルエンサー」としての役割が期待されます。
泉大津市は、外国人が多く住む地域として、災害時における外国人支援の必要性が重要視されています。過去の調査によると、災害時に正しい情報を得るため多くの外国人がSNSを利用していることが分かっています。彼らが情報を正確に理解し、発信するための教育プログラムには大きな意義があります。
この講座では、災害時の「命の守り方」を学ぶシェイクアウト訓練や、避難経路の確認なども行われる予定です。特に、避難所体験会では、実際にベッドやテントの設営を試みたり、災害食の試食を通じて、避難所での生活をリアルに感じてもらうことができます。
泉大津市の外国人住民は、近年急増しており、特に日本語学校で学ぶ留学生が占める割合は高まっています。この講座の実施は、単なる教育プログラムの提供にとどまらず、外国人住民との連携を深化させ、地域全体の防災力を向上させる試みでもあります。国際交流が進む中、災害対策においても障壁を取り除く視点が求められています。
人々を守り、助け合うために学んだ知識を周囲に広めることは、特に異国で生活する外国人にとって、自信を持って行動できる力を養います。泉大津市でのこの講座が、今後の防災教育に新たな風を吹き込むことを期待しています。参加者がこの経験を通じて感じること、学ぶことは、きっと彼らの生活や心の支えになることでしょう。
この講座の内容や目的に賛同し、今後も外国人支援の枠組みを広げる活動が続いていくことに期待が寄せられています。私たち社会全体が、「自分も助かり、人を助ける」という意識を持つことが、いざという時の大きな力になるのです。