西日本電信電話がNavyaへの出資を完了し自動運転車両の開発加速

NTT西日本がNavyaに出資し自動運転の未来を開拓

この度、西日本電信電話株式会社（NTT西日本）がフランスの自動運転企業、Navya Mobility SASへの出資を完了しました。この出資は、地域の交通維持やその創生に寄与し、政府が目指す2027年度中に100カ所以上でのレベル4自動運転移動サービスの実現を促進するための重要なステップとなります。

自動運転の背景

近年、日本の物流業界は特に深刻な状況に直面しています。2024年問題ではドライバーの労働時間制限が影響し、バスドライバーの数が2017年比で2万人以上も減少しています。加えて、全国で1万5千キロ以上のバス路線が廃止され、多くの地域で交通弱者と呼ばれる高齢者が移動手段を失っています。

こうした交通の衰退は地域社会が抱える喫緊の課題となり、オンデマンド交通やライドシェアなど新たな交通手段の導入が模索されています。特に自動運転バスの導入が注目されており、その実用化に向けた期待が高まっています。

NTT西日本の取り組み

NTT西日本グループは2023年8月、マクニカと提携し、自動運転技術の社会実装に向けた事業を始めました。地域自治体や交通事業者と連携し、10件以上の実証実験を行う計画が進行中です。これにより、自動運転車両やシステムの開発を進め、より安全な交通サービスを提供する準備を整えています。

Navyaとは

Navyaはレベル4の自動運転技術のリーディングカンパニーであり、15人乗り自動運転EVバス「ARMA」や「EVO」を販売しています。すでに世界26カ国で200台の実績を持ち、次世代の自動運転バスの開発にも注力しています。今回の出資によって、NTT西日本はNavyaとともに自動運転技術の革新を目指します。

これからの展望

この出資を機に、自動運転サービスの安定供給体制を構築し、地域交通維持や地方創生の実現に貢献していく方針です。また、政府の目指す自動運転サービスの実現に向けても、複数の地方自治体との協力が進められています。将来的には、地域交通のニーズに応じた自動運転車両の種類を増やし、多様なサービスを提供することが見込まれています。

自動運転の社会実装後も、地方自治体や交通業者との連携を深めながら、次世代の地域交通システムを具現化していく考えです。自動運転技術の進展が持続可能な地域交通の確立を促進し、医療や行政、物流における新たなサービスを実現するための礎を築くことが期待されています。