業界初の試み、バッテリー交換式EVとは?
近年、脱炭素社会の実現が求められる中、豊田通商とAZAPAが共同で進めるプロジェクトが注目を集めています。彼らは、既存のガソリン車両をベースにしたバッテリー交換式EVおよびその付随設備の開発を完了し、地域における環境に配慮した物流モデルの実証実験をスタートしました。これによって、物流業界における脱炭素化の加速を狙っています。
2030年に向けての脱炭素目標
日本は2030年度までに温室効果ガスを46%削減するという大きな目標を掲げています。しかし、運輸部門の二酸化炭素排出量は全体の約20%を占め、その中でも物流業界が大きな割合を占めているため、特に注力が必要とされています。そこで、豊田通商とAZAPAは、地域で広く使用されている軽トラックや軽バンをEV化し、持続可能な社会の実現に寄与しようとしています。
交換式バッテリーの開発
プロジェクトの一環として、彼らは小型バッテリーを使ったバッテリー交換ステーションを開発しました。このシステムは、異なるメーカーの車両同士でバッテリーを交換可能という新しい試みです。さらに、バッテリーの軽量化(2.5kWh、19.8kg)を実現したことで、荷室の容量も増やすことができ、より効率的な運行が可能になっています。
自動販売機サイズの便利なステーション
バッテリー交換ステーションは、自動販売機と同じ程度のサイズで設計されており、設置スペースの問題を解消しています。また、常に3セットのバッテリーを充電できる機能を持ち、クラウドで運用データを管理するシステムも搭載。このシステムにより、再生可能エネルギーの利用促進や宅配事業の事業継続計画(BCP)に役立つと考えられています。
実証実験の取り組み
実証実験には、物流会社の協力を受け、自動車の部品配送や農作物の集荷、移動販売といった具体的なユースケースを持ち込むことで行われました。このプロジェクトは、実用性を検証しながら、物流業界の脱炭素化を加速させることが期待されています。
企業のビジョン
豊田通商は、環境に配慮した商品を提供し、持続可能な社会を目指す企業であり、再生可能エネルギーやエネルギーマネジメントにも力を入れています。一方、AZAPAは自らのビジョンとして「全ての人が未来を選べる世界」を掲げ、新しい技術の融合を通じて立ち向かっています。
これらの取り組みを通じ、地域貢献型の環境配慮事業はますます進化していくでしょう。今後の展開に注目です。