2026年卒業予定大学生のテレワークへの意向調査で見えた実態
株式会社マイナビが実施した「マイナビ2026年卒大学生キャリア意向調査」の結果が発表され、2026年に卒業を予定している大学生と大学院生のテレワークに対する意向が多角的に分析されました。調査の結果からは、学生たちのテレワークに対する期待と不安が浮き彫りになっています。
オンライン授業の経験と遠隔コミュニケーション
まず、調査対象の学生約90%がオンライン授業の経験を持っていることが明らかになりました。しかし、遠隔でのコミュニケーションに関する自信は逆に、約42.1%の学生が「自信がない」と答えており、若者たちの不安がうかがえます。特に、「集中しづらい」という声が多く、オンライン環境によるコミュニケーションの難しさが浮き彫りとなりました。それに加え、ディスカッションや会話に関する困難さを感じている学生が多く見受けられました。
理想の勤務体系と実態のギャップ
次に、学生の理想とする勤務環境についても調査されました。フルリモート勤務を望む学生はわずか4.8%と少数派で、最も多い希望は「週2日テレワーク」で、続いて「すべて出社」が挙げられています。入社予定先の勤務形態が「すべて出社」と回答する学生も多く、「理想」と「現実のギャップ」を感じている実情が浮かび上がっています。
テレワークのワークライフバランスへの影響
調査によると、8割以上の学生が「テレワークによってワークライフバランスが良くなる」と感じており、これはテレワークへの期待の表れといえるでしょう。一方で、職場のコミュニケーションの取りやすさについては、半数以上が「そう思わない」と回答しており、テレワークによる業務効率の低下を懸念しています。
理想的なコミュニケーション手段とは
学生たちが理想とするコミュニケーションの方法も分かれています。「雑談や休憩中の会話」においては85.7%が対面でのコミュニケーションを理想とし、逆にWEBでのコミュニケーションは会議やミーティングの場面で活用されることが望ましいとされています。このことから、インフォーマルなコミュニケーションは直接顔を合わせることで生まれる温かみや信頼が重要視されていることがわかります。
調査の意義と今後の展望
調査を担当したマイナビの研究員によると、学生たちはテレワークのもたらすワークライフバランスの向上を強く感じている一方で、コミュニケーションの問題には現実的な不安を抱いているという結果が出ています。これは、社会全体がテレワークに移行する中で、学生たちがよりスムーズに職場に適応できるように企業も対策を講じる必要があることを示唆しています。テレワーク時代のコミュニケーションの重要性を再認識する機会となり、企業側は新入社員が特にコミュニケーションが取りやすい環境を提供することが、今後の業務成績向上に寄与するでしょう。
まとめ
本調査は、2025年9月23日から9月27日まで行われ、全国で1268名の学生が対象に参加しました。これにより得られたデータは、今後のキャリア形成や企業の人事施策に大きな影響を及ぼすものとなりそうです。特に、学生が直面するコミュニケーションの課題を解消するための施策が一層重要になってくるでしょう。