NECがTIP MUST Silverバッジを獲得
NECのネットワークオペレーティングシステム(NOS)が、Telecom Infra Project(TIP)によるテストで認められ、TIP MUST Silverバッジを獲得しました。このバッジは、SDN(ソフトウェア定義ネットワーク)を利用した次世代のネットワーク技術基準を満たしていることを証明しています。特に、NECのNOSは、TIPの「Phoenix」と称される400G光トランスポンダソリューションに適用されており、商業用システムとしても展開されています。
このMUST認定は、Telefónica、Vodafone、Orange、Deutsche Telekom、Teliaなどの業界信頼性の高い通信事業者が主導するTIP Open Optical and Packet Transport(OOPT)グループによって進行されました。このプロジェクトは、オープン光トランスポンダの制御および管理APIがOpenConfigデータモデルに準拠することを求めています。
Phoenixプロジェクトの重要性
「Phoenix」プロジェクトは、NTT、Telia、Telefonica、Vodafone、Deutsche Telekom、MTNなどの通信業者が協力し、オープンな技術やアーキテクチャを定義しています。この取り組みにより、光トランスポンダの仕様策定から評価、そして実移行に至るまでの一連のプロセスが推進されます。
NECは、従来の光伝送アーキテクチャから柔軟性の高いSDN管理手法への移行を果たしました。業界のリーダーであるTelefónicaやOrangeからの貴重なフィードバックを素直に反映し、TIPの厳しい基準を満たす進化を遂げています。
成熟度の証明
2025年1月にはTIP PhoenixプログラムからGoldバッジを獲得しており、今回のMUST Silverバッジの取得はNECの技術力の成熟度をさらに証明するものと言えるでしょう。この成果は、光ネットワークにおける標準化および技術革新の推進に寄与しています。
TIPの担当者であるArturo Mayoral López de Lerma氏は、「NECのNOSがOpenConfigなどのオープンAPI要件を満たしたことを評価します。SDN技術の進展に大きく貢献しており、光ネットワークへの標準化が進むことを期待しています」とコメントしています。
TelefónicaのCTIO Transport部門責任者Juan Pedro Fernandez-Palacios Jimenez氏も、「NECのNOSとPhoenixトランスポンダにより、マルチベンダー間でのSDN自動化が可能になることは非常に重要です。この進展は、我々の自律運用へ向けた進化を支えるものです」との意見を述べています。
オープン技術へのコミットメント
NEC光ネットワーク統括部のシニアディレクターである佐藤壮氏は、「当社がTIP MUST Silverバッジを受賞したことは、商用レベルの品質とSDN技術の推進を両立させる姿勢を示しています。業界の進展に向けて、引き続きオープン技術とモジュラー化の発展に努めていきます」と強調しています。
このTIP MUST Silverバッジの獲得は、NECが目指す光ネットワークのオープン化や次世代ネットワークにおけるリーダーシップを確固たるものとする重要なマイルストーンとなりました。今後もNECの革新的な取り組みに期待が寄せられています。