マレーシア企業の日本進出
2025-09-24 14:10:42

日本の不妊治療市場にマレーシア企業が新たな選択肢を提供する動き

マレーシア政府系企業が日本の不妊治療市場に進出



2025年の大阪・関西万博において、マレーシアの国営企業であるFamily Wellbeing Sdn Bhd(FWSB)が、日本の企業3社と提携し、不妊治療に関する新たな取り組みを発表しました。この提携は、日本市場に世界水準のIVF(体外受精)を導入し、女性や家族のために新しい国際的な医療モデルを確立することを目指しています。早ければ今年中にも医療サービスを提供開始する予定です。

背景と社会的意義



日本では少子化問題が深刻化しており、不妊治療は重要な社会的課題となっています。2024年の予想では合計特殊出生率が1.20と過去最低を記録し、体外受精により毎年約7万人が誕生しています。この状況を踏まえた今回の提携は、経済的かつ安心できる治療環境を提供するとともに、患者がリフレッシュできる旅行の一環として、医療と癒やしを同時に享受できる新たな選択肢を提供することを狙っています。

なぜマレーシアが選ばれるのか



1. 移住先としての魅力: マレーシアは15年連続で「日本人移住先No.1」とされており、高品質な医療制度が整備されています。
2. 医療ツーリズムの先駆者: 同国は世界的に認められた医療ツーリズムの大国であり、アジア屈指の国際患者受け入れ実績を誇ります。
3. 文化的親和性: 親日的であり、日本語にも対応できる環境が整っているため、安心感があります。

IVF技術の実績と信頼性



マレーシアにおけるIVF治療の実績は素晴らしく、2013年から2015年には凍結解凍ユープロイド胚の臨床妊娠率が82.9%に上り、胚生存率は100%という驚異的な数字を記録しています。また、その費用はシンガポールや日本と比較して半額から三分の一程度で、高品質な治療が受けられます。加えて、治療開始のハードルも低く、年齢や既往歴に関わらず高度医療を受けやすい環境が整備されています。このように、治療選択肢が広く、QOL(生活の質)を重視した医療が人気を集めています。

日本では厳しい制約の下で行われているPGT(着床前診断)ですが、マレーシアでは治療の選択肢が豊富であり、患者の希望に応じて先進的な治療が選択可能です。PGT-A(着床前色素斑瑕疵検査)は、胚の染色体異常を調べることができ、流産率の低下や妊娠の持続率の向上が期待されています。

重要な提携パートナー



FWSBは、日本アジアクロス株式会社、BP Lab Healthcare、WarungNeoJapanといった企業と提携しています。
  • - 日本アジアクロス: 医療観光ルート構築を担当し、日本の利用者コーディネーター役を果たします。
  • - BP Lab Healthcare: 国際基準に則った不妊診断・検査の精度向上を目指しています。
  • - WarungNeoJapan: 産後ケアスパや女性向けウェルネス製品を日本市場に展開します。

CEOのコメントによると、「日本とマレーシアが力を合わせることで、女性と家族を支える新しい国際標準を作りたい」と語ります。さらに、「少子化が深刻化する日本において、不妊治療の選択肢が広がることは大きな意義を持ちます」とも述べています。

今後の展開



提携関係は正式に覚書を締結し、モニターサービスを年内に開始する予定です。そして2026年以降には、日本市場で年間数百件規模の治療を提供することを目指しています。FWSBは「女性の健康は家族の幸せの礎」という理念のもと、日本とマレーシアの強みを融合し、国際的な不妊治療モデルを確立していく意向です。

この取り組みは、急速に発展する東南アジア市場における新たな試みとなるとともに、医療観光を推進する上で大きな意義を持つでしょう。


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会社情報

会社名
日本アジアクロス株式会社
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