スマホアプリとAIで街のごみ量を可視化!参加型プラごみ量可視化プロジェクト始動
鹿児島大学、海洋研究開発機構、九州大学、そして株式会社ピリカの共同研究チームが、街中のごみ量を可視化する画期的なシステムを開発しました。このシステムは、スマートフォンアプリと深層学習を組み合わせることで、街中のごみ量を種類別に可視化することが可能になります。
海洋プラスチック汚染対策への貢献
海洋プラスチック汚染の原因の多くは、街に捨てられた生活ごみが海に流れ出すことによるものです。特に、河川に近い海岸では、生活ごみが流れ着きやすく、深刻な問題となっています。この問題に対処するためには、街中のどの場所に、どの程度の量のごみが存在するのかを把握することが重要です。
ごみ拾いSNS「ピリカ」と深層学習の連携
今回の研究チームは、株式会社ピリカが開発したごみ拾いSNS「ピリカ」と深層学習を用いることで、この課題解決を目指しています。「ピリカ」は、世界132カ国で利用されており、累計3.6億個のごみが拾われています。ユーザーはアプリを使って、街中で見つけたごみの種類や場所を記録することができ、そのデータは、深層学習による画像解析に活用されます。
可視化による効果的な対策
深層学習によって得られた情報は、地図上にプロットされることで、街中のごみ量の分布を可視化します。これにより、汚染の源となっている場所やごみの種類を特定し、効果的な清掃活動や環境対策を立案することが可能になります。また、定期的な観測によって、清掃活動の効果や特定品目の排出抑制対策の効果を可視化することもできます。
参加型プラごみ量可視化プロジェクト
このシステムは、市民科学に基づいて開発されています。一般の人々が「ピリカ」アプリを通じてデータ収集に参加することで、地域に特化したデータが蓄積され、より精度の高いごみ量可視化を実現できます。
未来への展望
今回の研究成果は、海洋プラスチック汚染対策だけでなく、街の美化や環境問題の解決にも貢献する可能性を秘めています。今後、より多くのユーザーが「ピリカ」アプリに参加することで、街の環境問題に対する意識が高まり、持続可能な社会の実現に繋がることが期待されます。