土地を含む相続税申告に関する調査結果
相続税は人生で何度も経験するものではないため、特に土地が絡む場合の申告は専門性が求められます。その一方で、実際に税理士を選ぶ際にどのように決定しているのか、その昨今の実態を明らかにするため、フジ相続税理士法人が行ったアンケート調査の結果をお伝えします。
調査の目的と背景
相続税の対象となる土地は評価方法や特例の適用が大きく影響することから、依頼者がどのように税理士を選んでいるかを理解することが重要です。しかし、過去の調査では依頼者の意思決定プロセスが十分には可視化されていませんでした。そこで、実際の依頼者の声を集めることで、相続税申告における意思決定プロセスを明らかにすることを目的としました。
調査結果の概要
調査に参加したのは204名で、過去5年以内に土地を含む相続税申告を税理士に依頼した男女です。その結果として、以下のポイントが浮き彫りとなりました。
1. 税理士の選定は人的つながりが中心
76%の人が複数の税理士を比較せずに依頼しており、「知人・親族からの紹介」や「以前からの付き合い」に基づいた選定が上位を占めました。このことは、税理士の専門性よりも関係性が優先されている実態を示しています。
2. 申告への不安が残る
全体の66.7%は特に不安や後悔を感じていないと回答した一方で、33.3%が何らかの不安を抱える結果に。具体的には、料金が適切だったかや特例をきちんと活用できたかに関する不安が多く見られました。
3. 申告の負担は書類収集に
申告過程で最も負担となる事は「必要な書類を集めるのが大変だった」という点で、29.4%がこの意見を挙げました。必要書類の多さが依頼者に重くのしかかる要因です。
4. 早期の専門家相談が望ましい
専門家への相談は「相続が発生した直後」や「生前から」との回答が52.5%を超え、早期相談の重要性が広く認識されていることが分かりました。
調査の詳細な分析
本調査はインターネットアンケート形式で実施され、年齢層は主に60歳以上、既婚者が多いことが特徴です。これらのデータを元に、各項目についての詳細な結果を分析します。
- もっとも重視されたのは「知人・親族からの紹介」で、次いで「以前からの付き合い」が続きます。具体的には、料金の安さや丁寧さといった面が相対的に優先度が低いことが明らかです。
- 多くの人が「税理士の報酬額」を確認する一方、約3割は何も確認しなかったという現状が見られます。
- 「相続税が適正だったか」「特例を活用できたか」といった不安が顕在化し、金額に対する不安は特に高くなっています。
- 書類の収集が最も大きな負担であり、特例の活用に対する不安も多くの申告者が感じています。
まとめ
調査を通じて、相続税申告における依頼者は知識が欠如したまま決定を行っている傾向があることが浮かび上がりました。専門家への早期相談の必要性や情報交換の重要性が強調される一方で、今後は専門性を比較する情報提供が求められています。土地を含む相続税申告は非常に複雑な領域であり、今後も依頼者が後悔することのないスムーズな申告を実現するために、税理士と依頼者が良好な関係を築くことが必要です。また、早期に相談できる環境を整えることが、依頼者の負担軽減につながると考えられます。