消費者庁が示す特定商取引法に基づく販売者情報開示のガイドライン
消費者庁は、プラットフォームを利用した個人売買に関する特定商取引法の適用について新たな見解を示しました。これにより、個人事業者が自らの住所や電話番号を表記する際の要件が明確になり、消費者がトラブルが発生した際も確実に販売者に連絡を取る手助けとなります。
新たな情報開示要件
消費者庁は、特定商取引法に基づいて「通信販売における個人事業者の住所、電話番号の表記」を開示する条件を以下のようにまとめました。
この要件を満たすことで、個人事業者は法的要請を遵守できると考えられています。
1. 住所・電話番号の要件
特定商取引法では、「商取引が行われる現実の住所」と「確実に連絡が取れる電話番号」が必要とされています。次の要件を満たす場合、プラットフォーマーの情報を利用することで、法律の要求を満たすことができます。
- - 商取引は当該プラットフォーマーのプラットフォーム上で行われること
この要件は、プラットフォームのサービスの内容によるものではなく、名義貸しなどを防ぐための基準となります。
- - 個人事業者とプラットフォーマーの間に連絡先の合意があること
この場合、消費者は連絡先としての信頼性が担保され、トラブルの際も冷静に解決を図れるメリットがあります。
- - プラットフォーマーは、個人事業者の住所及び本人名義の電話番号を把握していること
無論、個人事業者やプラットフォーマーのいずれかが誠実でない場合、個人事業者が特定商取引法違反を問われる可能性がありますが、プラットフォーマーはその責任を問われることはありません。
2. 氏名の記載
売買契約において、当事者を明確にするためには、戸籍上の氏名や商業登記簿に掲載された商号が必要です。しかし、個人事業者がその氏名を公開したくない場合は、法人を設立したり、他の法人との販売店契約を結ぶなどの方法を検討する必要があります。
3. 開示請求の対応
消費者から開示請求がなされた場合、個人事業者の戸籍上の氏名は開示しなければなりません。しかし、住所・電話番号については、上述した要件を満たす限り、プラットフォーマーの情報を開示すれば問題ないとされています。
クリエイターエコノミー協会の役割
これらの見解を受けて、クリエイターエコノミー協会(CEA)は、様々なアドバイスを消費者庁に提供しており、個人事業者の円滑な売買運営をサポートしています。協会は東京都港区に本拠を持ち、公式サイトやTwitter、Facebookでも情報発信を行なっています。
この新たなガイドラインが、今後の個人事業者の活動にどのような影響を与えるか注目されます。しかし、信頼性のある取引を行うための情報開示は、消費者にとって益となるだけでなく、業者にとっても重要なステップと言えます。これにより、消費者と企業の信頼関係が強化され、より安全な取引環境へとつながることが期待されます。