岸田総理、福島県におけるALPS処理水の対応を強調—安心安全な漁業を目指して

岸田総理、福島県におけるALPS処理水の対応を強調



2023年8月30日、岸田総理は総理官邸で第7回廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議及び第7回ALPS処理水の処分に関する基本方針の着実な実行に向けた会議に出席しました。この会議は、ALPS処理水の処分方針や今後の施策について議論する重要な場となっています。

会議において、総理はALPS処理水の処分に関する基本方針の実施状況や今後の取り組みについて詳細に説明しました。総理は「福島第一原発の廃炉を進めるためには、ALPS処理水の処分を先送りするわけにはいきません」と述べ、処分の重要性を強調しました。

特に、昨年の会議で示したALPS処理水の放出開始時期について、岸田総理は今年8月24日に海洋放出が始まったことを報告。また、国際原子力機関(IAEA)からの評価をもとに、この放出が安全に実施されていることを段階的に確認しています。

先週、総理は福島県を訪問し、地元の漁業関係者との意見交換を行い、実際の状況を確認しました。この訪問を通じて、漁業活動の影響や漁業者の懸念について直接触れることができたことは、大変意義深いものでした。

会議では、ALPS処理水処分に関する基本方針が政府として堅持されることが確認されました。顕在化している一部国の輸入規制についても言及し、科学に基づいた対話を進めることが重要であると訴えました。

中国による輸入規制の影響が大きいホタテに関しては、昨年策定された水産業支援策が功を奏しており、従来の輸出量の約半分について代替の販路を開拓しました。しかし、中国への全輸出量を賄うことには至っておらず、さらなる海外市場の開拓や国内での消費促進が求められています。

長期にわたるALPS処理水の海洋放出に伴う漁業の将来への懸念に対しても、総理は持続可能な水産業のために必要な対策を実行していく考えを示しました。経済対策の策定も含め、地域の水産業支援に万全を期することが強調されました。

また、福島第一原発の廃炉作業について、全体的には着実に進んでいるとしつつも、最近行われた燃料デブリの試験取り出しに関する作業の中断については重視しているとのこと。今後の具体的な取り出し作業の進展が期待される中で、東京電力には更なる緊張感を持って対策に当たるよう求めました。

この会議を通じて、岸田政権が福島復興の前提として掲げている安全で持続可能な廃炉業務への取り組みの姿勢が再確認されました。福島の地域経済、特に水産業の復興を支えるためには、今後も政府の積極的な支援が欠かせません。総理はこれからも安全かつ着実な廃炉を進めると共に、福島の漁業者の不安を払拭する努力を続けていくことを誓っています。

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