トヨタシステムズが次世代人材の育成を目指す新ラボ設立

トヨタシステムズ、次世代人材育成の新たな試み

2025年10月、トヨタシステムズが「レガシーコードラボ」を立ち上げた。このラボでは、生成AIツールを駆使して基幹システムの開発が行われる。サポートをするのは、日本アイ・ビー・エム株式会社（日本IBM）で、両社が協力し、次代のシステム開発における人材育成に乗り出したのである。

背景

トヨタシステムズの設立の背景には、業界全体で問題視されている基幹システム開発におけるレガシー言語の扱いにある。これまでのシステム開発に精通した専門家の高齢化が進む中、次世代を担う人材の育成が急務とされている。そこで同社は、日本IBMの最新技術を取り入れ、生成AIを駆使した「TG4X (Toyota Systems GenAI for DX)」を開発。これにより、若手エンジニアが次世代の基幹システムを効率的に開発する体制を整えた。

レガシーコードラボの目的

「レガシーコードラボ」は、次世代のシステム開発者が自信を持って基幹システムを構築できる場となる。以下のポイントを掲げて活動が進められる。

1. 開発力の維持
次世代の人材がTG4Xを活用することで、レガシー言語に対する技術を磨き、基幹システムのエコシステム維持を図る。

2. 技術の進化に対応
生成AIの技術進展に合わせ、TG4Xの機能を拡張していくことで、時代に即した開発プロセスの構築を目指す。

3. 知識の継承
有識者がアドバイザーとして関与し、豊富な経験に基づく知見やノウハウを次世代に伝えることで、技術の断絶を防ぐ。

展望

今後、トヨタシステムズは「レガシーコードラボ」を国内外での支援の拠点にする予定だ。TG4Xが多様なプログラミング言語やプロセスに対応することを視野に入れ、さらなる技術の充実を図っていく。また、日本IBMとの連携を深め、必要に応じて開発支援体制を構築することで、急激に変化する市場ニーズにも柔軟に対応していく。トヨタシステムズは、生成AIの活用を通じて新しいシステム開発スタイルを模索し続け、デジタル・トランスフォーメーションの実現を目指す。