抗体医学研究所出資
2024-08-08 09:47:46

三菱UFJキャピタルが抗体医学研究所に出資決定、創薬の未来へ期待を込めて

三菱UFJキャピタル株式会社が、創薬分野における重要なステップを踏み出しました。2024年7月23日、彼らが運営する「三菱UFJライフサイエンス4号投資事業有限責任組合」から、インテグリンを標的として医薬品開発を行う株式会社抗体医学研究所(以下、抗医研)への出資が発表されました。この出資は、新しい治療法の開発と製薬業界における革新を目指すものです。

抗医研は、広島大学の横崎恭之客員教授のもと、2022年に設立されました。横崎教授はインテグリン研究の第一人者であり、接着分子として知られるインテグリンが様々な生理機能において重要な役割を果たすことを長年研究してきました。特にインテグリンα8β1分子の阻害が、マウスモデルにおいて線維化の病態を改善することが確認されています。このような成果を基に、抗医研は最初の開発候補品として、ヒト化インテグリン阻害抗体の製造を進めており、現在は人体試験を行う前の安全性試験を計画しています。

この出資の背景には、抗医研の堅実な基礎研究があることが挙げられます。創業以来、非臨床POCの取得や事業の基盤作りに専念してきた抗医研は、2024年に西村公男氏が参画したことによって、さらに事業を加速させる体制が整いました。西村氏は、名だたる製薬企業で事業開発を手掛けてきた実績を持ち、その知見が抗医研の成長に大きく寄与することが期待されています。

抗医研の第一開発票であるATI-235は、特発性肺線維症(IPF)の治療薬として開発されています。この病気は呼吸器系の代表的な難病であり、患者数は全世界で約300万人に及ぶとされ、現在のところ治療の選択肢は限られています。特に承認薬であるOfev(ボーリンガーインゲルハイム社)の2023年の売上高が35億ドルにも達しており、この市場における未充足のニーズは非常に大きいと言えるでしょう。抗医研は、インテグリンを標的にした複数の開発候補品を有しており、そのメカニズムの独自性と市場規模の大きさが、投資家にとっての大きな魅力となっています。

三菱UFJキャピタルの出資は、会社の取り組みに対する信頼を示しており、今後の進展が期待されています。「患者さんのベッドサイドに最速で薬を届ける」という目標を掲げている抗医研に対し、三菱UFJキャピタルは大きな期待を寄せています。

さらに、三菱UFJキャピタルは、1974年の設立以来、ライフサイエンス分野に特化したファンドを継続的に設立し、これまでに約500億円を投資してきました。主に創薬、再生医療、医療機器などを対象としており、国内最大規模のライフサイエンスに特化したファンドの一つです。将来的には、抗医研による革新的な治療法の誕生が期待されており、三菱UFJキャピタルの支援によってその実現が近づくでしょう。

この用意された支援の中で、新しい医薬品が開発される日が待ち望まれます。これから数年にわたって進められる研究開発の成果が、患者や医療界にどのような影響を及ぼすのか、見守っていきたいところです。


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会社情報

会社名
三菱UFJキャピタル株式会社
住所
東京都中央区日本橋2丁目3番4号日本橋プラザビル7F
電話番号

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