住宅業界の未来を拓く実践的学びの場
一般社団法人日本優良ビルダー普及協会(JGBA)は、住宅業界の発展に貢献するため、現場でしか得られない実践的な学びと交流機会を重視しています。その取り組みの一環として、去る5月14日(水)には、静岡県にて「平松建築視察会」を開催。会員・未会員を問わず総勢49名が参加し、大きな関心を集めました。
JGBAは2022年から、会員企業の更なる情報共有と連携強化を目指し、現地視察会を積極的に実施してきました。これまでに、ライフデザイン・カバヤ、リアンコーポレーション、丸尾建築など、数多くの優良ビルダーの現場を訪れています。今回の視察先は、その中でも特に注目を集める平松建築株式会社です。
平松建築が示す、進化する家づくりの現場
視察会当日、参加者は近年注目を集める規格型注文住宅の完成事例や建設現場、さらには宿泊体験も可能な画期的な無人モデルハウスを巡りました。現場スタッフの丁寧な案内のもと、平松建築独自のWB工法がもたらす快適な空気環境と、高水準の住宅性能・設備が実現する、入居後の優れた省エネルギー性と経済的なメリットについて、深い理解を深めました。
特に、無人モデルハウスでは、その運営会社の担当者がシステムや集客面での効果的な活用法を詳述。参加者は実際の快適性を体感しながら、それぞれが抱く疑問点を直接確認する貴重な機会を得ました。移動中も、平松社長と竹下副社長が同行し、資産価値を長期的に維持するための家づくりの哲学など、より具体的な話に及び、参加者は熱心に耳を傾けていました。
深掘りする「家づくりの真髄」と未来戦略
視察後に行われた分科会では、さらに踏み込んだ議論が展開されました。100年先を見据えた住宅の総コスト比較が行われ、住宅ローン、光熱費、太陽光発電システム、メンテナンス費用など、インフレを考慮した多角的な視点から、一般的な住宅との経済性比較が提示されました。これにより、参加者は住宅購入の新たな視点を得ることができました。
また、インフレ時代における結露や湿気、地震といった住宅リスクへの具体的な対策事例も紹介され、安心・安全な住まいづくりの重要性が再認識されました。加えて、平松社長からは、YouTube動画配信をはじめとするSNSを活用した情報発信戦略と、それによるブランド認知度向上のマーケティング効果が解説されました。さらに、全国の工務店と連携して昨年始動した新たな事業モデルについても、その詳細が語られ、参加者は今後の住宅産業の可能性を肌で感じることができました。
地域密着型ビルダーの挑戦:平松建築株式会社
2009年に創業し、2013年に法人化された平松建築株式会社は、静岡県磐田・浜松・袋井・掛川・森町・菊川エリアで年間約44棟の住宅を手がける地域密着型の優良企業です。元大工である平松社長の豊富な知識と経験を活かし、「職人社長の家づくり工務店」としてYouTubeやLINEを通じて、家づくりに関する価値ある情報を積極的に発信しています。
その実績は目覚ましく、2023年度には住宅産業研究所の「注文系ビルダーランキング」で売上伸び率全国4位に輝いています。2025年現在、動画総再生回数は8,170万回以上、YouTubeチャンネル登録者数は20.1万人を超えるなど、その影響力は計り知れません。同社は、地域に根差しながらも、革新的な情報発信と事業展開で全国の注目を集めています。
JGBAが提供する、さらなる学びの機会
JGBAは、工務店やリフォーム会社、住宅関連企業を支援するため、2021年1月に発足しました。住宅業界全体の活性化を目指し、会員限定の質の高い動画コンテンツ公開に加え、住宅会社向けセミナー、勉強会、視察会、交流会、ゴルフコンペなど、多岐にわたるイベントを企画・運営しています。特に「リアル」にこだわった情報発信とノウハウ共有は、未会員企業にも一部公開され、業界全体の底上げに貢献しています。
次回の視察会は、早くも2025年度第4弾となる「YKK APP視察会 in富山」が7月9日(水)に予定されています。また、6月19日(木)には、工務店向けのWEB集客課題解決セミナーがリアルとオンラインのハイブリッド形式で開催されます。住宅業界に特化したマーケティング企業4社が登壇し、実例や数字を交えながらトークセッションを行う予定で、こちらも大きな注目を集めています。JGBAは、今後も様々なテーマで業界の発展に貢献する活動を継続していくことでしょう。