2025年度「人事・退職給付一体サーベイ」の調査結果報告
三菱UFJ信託銀行株式会社は、2025年度の「人事・退職給付一体サーベイ」についての調査結果を発表しました。この調査は、同社と三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が共同で実施したもので、2025年8月から10月にかけて行われたものです。ここでは、その概要と重要な結果について詳しく解説します。
調査の目的
本サーベイは、企業が人事制度や退職給付制度を見直そうとする意向や、人材戦略の考え方を明らかにすることを目的としています。また、退職給付に関する重要なトピックを取り扱い、企業が直面している課題と今後のトレンドを探ります。
調査結果の概要
定年延長・廃止の動向
調査によると、企業の50%以上が定年延長または定年廃止の計画を持っており、高齢化社会における労働力の確保が課題となっています。具体的には、60歳での定年を設定している企業の割合は54.6%で、65歳以上の定年を考えている企業も38.2%にのぼります。この傾向は今後も継続する見込みです。
退職給付水準の見直し
退職給付の水準に関しては、30%以上の企業が見直しを検討していることが確認されました。賃金や物価上昇に対応すべく、34.2%の企業が見直しの意向を示しており、今後の経済動向が影響を与える可能性があります。
賃上げの意向
2026年度の賃上げについては、『2025年並み』の水準を維持する意向の企業が最も多く、さらに『2025年を上回る水準』を希望する企業も31.3%と多いことがわかりました。初任給の引上げ意向についても同様の傾向が見られ、企業は従業員を引き留めるための施策を模索しています。
優先度の高い人事課題
調査の結果、人材戦略において特に注目されているのが「人材ポートフォリオの策定や異動配置、要員計画」で、41.4%がこの点を重視しています。また、経営戦略と人事戦略を連動させる考え方も31.1%が支持しており、企業の持続的な成長に向けた取り組みが伺えます。
まとめ
2025年度の「人事・退職給付一体サーベイ」は、企業が直面している重要な課題を浮き彫りにしました。定年延長や退職給付水準の見直し、賃上げに関する意向は、今後の人事戦略に大きな影響を与えることでしょう。企業はこれらの結果を踏まえ、持続的成長に向けた戦略を策定していく必要があります。さらに、詳細なレポートについては三菱UFJ信託銀行の公式サイトで公開されていますので、そちらも併せてご確認ください。
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最後に
今後も人事や退職給付に関する様々な変化が予測されますが、企業がどのように対応していくのか、今後の動向に注目です。人材戦略を強化することで、企業の未来は大きく変わる可能性があります。