石徹白洋品店が英国展で注目のデモンストレーション
岐阜県の小さな山間集落、石徹白(いとしろ)に位置する石徹白洋品店が、英国史上最大の民芸展「Art Without Heroes Mingei」において、「たつけ」と呼ばれる伝統的な衣服の裁断デモンストレーションを行いました。
この展示会は、民藝の豊かな歴史を振り返りながら、現代におけるその価値を再解釈する場となっています。日本の民藝を代表するエコ・コンシャスなブランドとして、石徹白洋品店は注目を集めており、特にその裁断技術が高く評価されています。
裁断技術の魅力
「たつけ」は、縄文時代から受け継がれてきた伝統的な作業服の一種で、機能的かつ美的なデザインが特徴です。石徹白洋品店では、無駄を省いた直線裁断の技術が駆使されており、これによって生まれる服は使い勝手が良いだけでなく、環境への配慮も感じられます。このような知恵は、かつては日本各地の農村で広まっていましたが、洋服の普及と共にその技術は失われつつありました。
しかし、石徹白洋品店は、この貴重な伝統を復活させ、次世代に伝える努力を惜しみません。また、地域の素材を用いた草木染や藍染など、自然との共生を重視したモノづくりを展開しています。
デモンストレーションの詳細
イベントは、ウィリアムモリスギャラリーに併設されたホールで行われ、20名から25名の参加者が集まりました。その中には、英住まいの日本人も多く含まれていました。参加者からは、「おばあちゃんたちから学んだ技術に共感する」「石徹白の土地への興味が増した」「無駄のない裁断に感銘を受けた」といった感想が寄せられました。
展示会の意義
この展示会「Art Without Heroes Mingei」は、『民藝の三世代』というテーマのもと、19世紀から現代までの民藝の流れを探るものとなっています。この機会を通じて、石徹白洋品店は21世紀のエコ・コンシャスなブランドとして紹介され、持続可能な製品、丁寧なモノづくり、地域への責任やつながりが強調されています。
さらなる広がりを目指して
石徹白洋品店は、今後も国内外を問わず、「たつけ」の魅力とその背景にある裁断技術を広めていくことを目指しています。今回の展示会を経て、海外においても日本の伝統技術に対する関心が高まっていることが確認できました。
さらに、9月28日には、「たつけと民藝の交わる場所」と題したお話会が東京・池袋で開催されます。さまざまな視点から「たつけ」の魅力を掘り下げていく機会ですので、興味がある方はぜひ参加を検討してみてください。
展示会についての詳細は、公式ホームページやSNSを通じて更新されるとのことですので、お見逃しなく。