生成AIで自転車競技の業務改善を実現したMASOとロココ社の連携

生成AIで自転車競技の業務改善を実現

2025年8月22日から25日まで静岡県伊豆市で開催された「全日本自転車競技選手権トラック競技」で、株式会社MASOが株式会社ロココとの協力により、生成AIとカメラを活用した周回検知の実証実験を実施しました。この試みは、従来の審判業務において多くの課題を抱える中、業務効率化を目指すものです。実験の結果、特に女子ジュニアスクラッチレースでは99％の高い検知率が確認され、多くの注目を集めています。

従来の方法と課題

自転車トラック競技では、通常約40名の審判員が選手の周回を目視で記録しています。この方法はオリンピック大会などでも用いられていますが、誤判定や多くの審判員が必要という課題が存在しました。MASOとロココ社は、これらの課題を解決するために連携し、生成AIを用いた新たな手法の開発に乗り出しました。

実証実験の内容

今回の実証実験では、カメラで撮影された選手の周回ごとのフィニッシュラインを通過する瞬間を捉え、MASOの画像解析ソリューションが選手のゼッケン番号を識別して周回数を記録します。この結果、審判員の作業負担を大幅に軽減することが期待されています。

実験により、周回の検知率が99%を超えるという好結果が出ており、より正確な審判業務が可能になることが期待されています。さらに、この技術の導入により、観衆への情報提供をリアルタイムで行うことができ、迫力のある観戦体験を提供することにもつながります。

業務支援ツールへの変革

MASOは今後、生成AIによるカメラ映像の解析を通じて、監視目的から業務支援ツールへとカメラの役割を変革していく考えです。この変化は、将来的にオフィスや店舗、公共施設などにおいても活用され、現場の状況を可視化することによって、業務改善に寄与することができるでしょう。来る2035年には日本全体で385万人の労働力が不足すると予測されており、MASOはこの社会問題への貢献を目指しています。