「PLAY」アレクサンダー・エクマン/パリ・オペラ座が日本にやってくる
2024年のパリ・パラリンピック開会式の演出・振付を担当したスウェーデン出身の振付家、アレクサンダー・エクマンの最新作「PLAY」が、いよいよ東京・新国立劇場オペラパレスで上演されます。2017年にパリ・オペラ座ガルニエ宮で初演されて以来、その独創的かつ刺激的な舞台は観客を魅了し続け、多くの賞賛を浴びてきました。今回は日本での初演を前に、ゲネプロに足を運び、その魅力を感じてきました。
ダンスと音楽が織り成す心の遊び
「PLAY」は、子供時代の“遊び”と大人になってからの“遊び”との対比を描いた二幕構成の作品です。初めの幕が開くと、白いパンツとグリーンのトップスを着た男性ダンサーが一人、軽やかに踊り始めます。彼と共に登場するのは、白を基調とした衣装を身にまとったダンサーたち。手に持ったマイクを叩くことで音を生み出し、その音に合わせて女性ダンサーたちが魅力的に舞う姿は、目を惹きつけるものがありました。
舞台上空からは6万個の緑のプラスチックボールが降り注ぎ、まるで夢の中の光景のようです。その中でダンサーたちは戯れ、まさに「遊ぶ」という行為の楽しさを観客に伝える瞬間が広がります。このボールの雨は観客を圧倒し、単なる舞台を超えた感情表現へと誘います。
ダークな第二幕とフィナーレの感動
第二幕では、衣装が一変し、規範に囚われた現代社会を反映するかのようにダークでシリアスな雰囲気が漂います。この幕では、未来に見た過去の悪夢ともいえる美しいディストピア的な場面が展開され、思わず息を飲むような美しさがありました。しかしフィナーレでは、舞台上と客席がひとつとなり、観客も演者も一体となって遊ぶ喜びに満ちた瞬間を迎えます。言葉では表現しきれない感動が、会場全体を包み込みました。
音楽はエクマンと共に多くのコラボレーションを重ねてきたミカエル・カールソンが担当。彼が手掛けた音楽はスタイリッシュで、エクマンの振付と見事に調和しています。また、アメリカから参加したシンガー、カリスタ・“キャリー”・デイの歌声は力強さを感じさせ、舞台に深みを与えています。
約50人のパリ・オペラ座のダンサーたちとミュージシャンたちが織り成すこの舞台は、観客に「遊ぶこと」について問いかけるかのようです。観る者に新たな体験を提供し、心の奥底で感じる感情を呼び起こすこの作品は、観た人の記憶に深く刻まれることでしょう。
公演情報
今回の公演は7月25日から27日の間、東京・新国立劇場オペラパレスで開催されます。チケットはすでに好評販売中で、早めの購入をお勧めします。詳細な席の情報や料金については下記の公式サイトをご覧ください。
- 2025年7月25日(金) 18:30開演
- 2025年7月26日(土) 13:30開演、18:30開演
- 2025年7月27日(日) 12:00開演、17:00開演
- S席:29,000円、A席:24,000円、B席:14,000円、C席:7,000円
この貴重な体験をお見逃しなく!アレクサンダー・エクマンの驚異の舞台「PLAY」が、あなたの心を打つことは間違いありません。ぜひ、生の舞台でその魅力を実感してください。