小型SAR衛星の新たな一歩
2025年8月5日、日本時間で13時10分にニュージーランド・マヒア半島の発射場から打上げられたロケット・ラボ社のElectronが、小型SAR衛星QPS-SAR12号機「クシナダ-Ⅰ」を軌道に送り込みました。打ち上げから約53分後に衛星は分離され、さらに30分後には初交信に成功しました。この成功を受けて、衛星の各機器が正常に機能していることが確認され、良好な健康状態であることも報告されています。
ミッションの背景
QPS-SAR12号機は、日本の宇宙開発において重要な役割を果たすべく設計されています。小型SAR衛星は、合成開口レーダー(SAR)を使用して、地表の高精細な画像を取得する能力を持っており、特に気象条件に影響されない点が特長です。QPS研究所は、この最新型の衛星によって、データ提供の頻度と質を大幅に向上させることを目指しています。
高まる期待と信頼性
ロケット・ラボ社のCEO、ピーター・ベック氏は、今回の打ち上げについて「すべてのElectronロケットの打上げは、顧客のためのペイロード投入精度を実証する貴重な機会です。特に、今回のQPS研究所向けの衛星投入は、5回目の成功を収めたことを誇りに思います」とコメントしました。また、Electronロケットの高い信頼性が再確認され、継続的な宇宙アクセスが現実になっていることを示唆しました。
QPS研究所の展望
QPS研究所の代表取締役社長、大西俊輔氏も「QPS-SAR12号機の打ち上げ成功を報告できることに感謝しています。今後も衛星データの活用を促進し、さらなる発展を目指します」と述べました。今回の成果は、同社が今後展開していく衛星コンステレーション構築の第一歩となります。最終的には36機の衛星を打ち上げ、平均10分毎の観測データ提供を目指しています。
株式会社QPS研究所について
福岡市を拠点に活動するQPS研究所は、2005年に設立された宇宙開発企業です。九州宇宙産業の開拓者として、国内外での衛星開発やスペースデブリに関する取り組みを行い、その技術力には多くの業界から信頼が寄せられています。最近では、特許取得済みの大型展開式アンテナを搭載し、従来のSAR衛星に比べてはるかに軽量でコストパフォーマンスに優れた高精細小型SAR衛星の開発に成功しました。
まとめ
QPS-SAR12号機「クシナダ-Ⅰ」の成功裏な打ち上げは、宇宙産業における新たな可能性を示すものです。地球観測データの提供者として、QPS研究所が今後どのような展開を見せるのかが非常に楽しみです。私たちは、その出発点である今日の成功を大いに祝福します。