Verastem社、日本で懸念される進行固形癌への新薬Defactinibの試験開始

Verastem社が日本で抗がん剤試験を開始



2013年9月24日、アメリカのVerastem社は日本国内において、進行固形癌患者を対象とした抗がん剤Defactinib(VS-6063)の臨床第Ⅰ相試験を開始したことを発表しました。この試験は、がん幹細胞を標的とするFAK(Focal Adhesion Kinase)阻害剤として、特に注目されています。

新たなステージへの一歩



FAKはがん幹細胞の増殖や生存において重要な役割を果たすシグナル経路です。今回の試験は、Defactinibの安全性や薬剤の動態、そして薬力学の評価を目的としており、近畿大学医学部附属病院を中心に、最大で12-18人の進行固形癌患者が登録される予定です。Verastem社は、東京など他の医療機関でもこれらの患者を対象とした試験を予定しており、命の危機に直面している患者たちに新しい希望を提供することを目指しています。

日本における治療の可能性



この歴史的な試験について、Verastem社の最高医学責任者であるJoanna Horobin氏は「この試験は、Verastem社にとって非常に意義深い出来事で、Defactinibは全世界での試験で良好な結果を示しています。このデータをもとに、日本でも新たな治療の第一歩を進めていくことを期待しています」と語りました。

近畿大学の中川和彦教授も、米国やヨーロッパの開発に続く形で日本での試験が始まることに非常に意義があると強調。「日本のがん患者に新たな治療オプションを提供することに全力を尽くす」という意気込みを見せています。

Defactinibの特性とその挑戦



Defactinibは、がん幹細胞に対する攻撃の効率を高めるためにデザインされた経口薬です。がん幹細胞は化学療法に対して耐性が高く、治療による再発やがんの進行に大きな影響を及ぼすため、この新薬の登場が期待されています。

また、Defactinibは、すでに海外の複数の試験でも研究が進行中であり、特に悪性中皮腫や卵巣癌に焦点を当てた第ⅠおよびⅠb相試験が行われています。最近のデータに基づいて、Defactinibは米国及び欧州における悪性中皮腫患者への使用が進められており、希少疾病用医薬品の指定を受けています。

がん治療の未来に向けて



ここ数年、日本における新しいがん治療薬の開発は遅れがちでしたが、Verastem社は全球拠点からの支援を受けて、この遅れを取り戻すべく急速に開発を進めています。清水俊雄氏は、「がん幹細胞をターゲットにしたこの試験に関わることができることは、大変名誉なこと」とし、FAKの役割に基づいた新たなアプローチががん治療に革新をもたらすことを期待しています。

Verastem社は、がん治療の可能性を広げるための新たな挑戦を続けており、今後の進展が注目されます。日本でのDefactinibの試験開始が、がん治療における新たな時代を切り開くことを願ってやみません。

会社情報

会社名
Verastem社
住所
Cambridge, Massachusetts 02142 215 First Street, Suite 440
電話番号
617-252-9300

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