NASAとも連携した高高度無人航空機SULEの飛行成功
2024年9月29日から30日にかけて、Swift Engineering社が開発した高高度無人航空機、「SULE(Swift Ultra-Long-Endurance)」が、アメリカ航空宇宙局(NASA)エイムズ研究センターとの協力のもとで、海面高度約17km(55,904フィート)で24時間を超えるフライトを達成したとの発表がありました。この成功は、従来の滞空記録を2倍以上更新した成果となります。
SULEとはどのような無人航空機か
SULEは、高高度成層圏での自律飛行を可能にするために設計されており、商業利用、監視、通信、防衛などのさまざまな分野における応用が期待されています。基本スペックとしては、飛行翼の幅は22メートル、機体の重量は82kg、ペイロードは6.8kgという構成です。
これまでの無人航空機の運用事例を見ると、大抵はある程度の飛行時間が限界でしたが、SULEはその限界をはるかに超え、長期間の滞空が実現可能となったことから、今後のさまざまな事業展開に繋がると考えられます。
持続可能な未来に向けた新技術
SULEには、太陽光パネルを搭載した翅を持ち、天候に左右されず地球環境にも配慮した設計です。これにより、長時間の飛行が可能で、エネルギー効率が高いのも特長です。加えて、同機はすでに2つの技術特許を取得しており、航空機の強度や構造、安全性と環境保全に適合した証明書である耐空証明書(Airworthiness Certifications)もNASAから受けています。また、アメリカ連邦航空局(FAA)からも商業空域における飛行許可証を得ており、合法的に運用開始ができる状況が整っています。
今後、Swift Engineering社は、さらなる研究資金をNASAからの支援で2年間得ており、2025年には成層圏での滞空時間を48時間、さらには7日間へと段階的に引き上げる飛行実験を予定しています。この研究が成功すれば、SULEの用途はさらに広がり、私たちの生活にも影響を与えていくことでしょう。
未来への期待
無人航空機の技術進化は、様々な業界の変革を促す可能性があります。特に、通信や監視、災害対応においてSULEは重要な役割を果たすことでしょう。このプロジェクトの進展により、私たちの未来がどのように変わっていくのか、その可能性にわくわくします。