ビール酵母で変化
2020-06-09 14:01:04
ビール酵母細胞壁が実現する日本ワインの新しい収穫革命
ビール酵母細胞壁がもたらす農業の新たな可能性
日本ワインの需要は昨今高まっており、その背後には品質の向上に取り組む取り組みが存在します。アサヒバイオサイクル株式会社は、アサヒグループのワイン製造部門であるサントネージュワインと連携し、独自技術を駆使して「ビール酵母細胞壁」による農業資材を利用したぶどう栽培に力を入れています。この資材は、副産物として発生するものを有効活用したものです。
ビール酵母細胞壁由来の資材とは?
ビール酵母細胞壁由来の肥料は、植物の免疫力を高め、土壌を改善する優れた特性を持っています。その結果、病気への耐性が強化され、収穫量や品質が向上するという成果が得られています。アサヒバイオサイクル社は2018年より、この技術を北海道・山梨県・山形県のぶどう栽培に導入し、効果を確認してきました。たとえば、2019年の収穫では一部の畑で収穫量が向上し、良品率も上昇しました。
実績の紹介
渡辺畑の改善例
山形県のかみのやま地区に位置する渡辺畑では、世代交代に伴う栽培ノウハウの伝達不足が課題となっていました。畑の土壌がもともと痩せているため、発根が難しい環境だったのですが、ビール酵母細胞壁由来の資材を散布することにより、2019年の収穫量が前年に比べて約1.5倍に増加しました。この改善を受けて、渡辺畑で収穫されたぶどうは「サントネージュ 山形かみのやま渡辺畑 カベルネ・ソーヴィニヨン」として製造されています。
牧丘倉科畑の成果
次に山梨県の牧丘倉科畑では、同じく資材を使用することでぶどうの木の免疫力を強化し、病害の影響が減少しました。具体的には、白ぶどうのシャルドネの病害率が大幅に減少し、過去最高の収穫量を得ることができました。また、赤ワイン用のカベルネ・ソーヴィニヨンの着色も改善され、品質の向上が顕著に表れています。
持続可能な未来へ
アサヒグループは、このビール酵母細胞壁由来の肥料が温室効果ガスの排出量を削減し、持続可能な農業に貢献することができると考えています。今後も農業資材の活用を拡大し、環境に優しいワイン作りを目指してさまざまな取り組みを続けることでしょう。
日本ワインの発展を支えるサントネージュ
サントネージュワインは、1950年代から日本のワイン用ぶどうの栽培に力を入れており、70年以上の歴史を持つワイナリーです。新たなワイン産地として、山形県かみのやま地区の開発にも注力し、2017年からは北海道余市町でもぶどう畑を取得して、2025年までに10ha以上の自社畑の拡大を目指しています。
このような取り組みを通じて、サントネージュブランドは日本ワインの市場での存在感を高め、環境に配慮した持続可能な農業を実現しながら、より良い日本ワインを生産していくことでしょう。彼らの情熱と奉仕によって、これからの日本ワインの未来が開かれる期待が膨らみます。
会社情報
- 会社名
-
アサヒグループホールディングス株式会社
- 住所
- 東京都墨田区吾妻橋1-23-1
- 電話番号
-