転職市場における年代別年収変動レポート
転職サービス「doda」を運営するパーソルキャリア株式会社が発表した「年代別 転職時の年収変動レポート」は、2019年度上期と2024年度上期におけるデータを基に、転職時の年収変動や決定年収額を年代別に解析しています。このデータから、世代ごとの転職市場でのトレンドを読み解くことができます。
転職希望者は増加傾向
まず、2019年度上期と2024年度上期のデータを比較すると、転職サービス「doda」を利用した人数は全体で1.5倍以上の伸びを見せました。この背景には、深刻な人材不足や経済活動の回復があり、新たな採用ニーズが生まれていることが伺えます。さらに、2024年のdoda転職求人倍率は常に2.5倍を超えることが予測され、企業が求める人材獲得のために年収を引き上げる傾向が顕著です。
20代転職者から見る変化
特に20代の転職者に目を向けると、2019年度の上期では年収が横ばいだったのに対し、2024年度上期には決定年収が105%のアップを果たしました。平均決定年収も111%の増加が見られ、特に「400万円以上〜600万円未満」の範囲に転職する人が増加しています。未経験でも採用される機会が増え、即戦力を求める企業がスキルに基づいた年収提示を行うようになったことが影響しています。
30代の年収動向
次に30代の転職者ですが、転職時の年収は101%とわずかに増加し、決定年収において「600万円以上」の割合が8%増加しています。転職が一般的になってきた影響もあり、今後の成長が見込まれるポジションを持つ30代が流動しているという現象が見受けられます。リーダーシップを求める職種や専門性を必要とする求人が増加したことから、企業は高い年収を提示するようになっています。
40代の動向と企業のニーズ
40代は転職時の年収が減少傾向にありましたが、決定年収は800万円以上の割合が6%増加しています。この世代はプロフェッショナルな知識や経験を持っており、企業は新たな視点や専門スキルを求めているため、年収提示が高くなるケースが増えてきています。転職回数が増えることにより、一社に留まる価値観が変わってきたと考えられます。
結論
このレポートを通じて見えてくるのは、年代による年収変動の違いや流動性の高まりです。特に20代は勢いがあり、30代は専門的スキルの重要性が増し、40代は新たなニーズに応じた高い年収が伴っていることが浮き彫りになりました。今後の転職活動やキャリア形成において、これらのデータは有用となるでしょう。