シベリア抑留の展示
2023-02-24 16:00:01

シベリア抑留の歴史を伝える合同展示が東京で開催中

シベリア抑留の歴史を伝える合同展示が東京で開催中



戦後の日本が抱える傷の一つ、シベリア抑留の実態を伝える合同展示が、東京丸の内で開催されています。この展示会は、舞鶴市が運営する【舞鶴引揚記念館】と東京都新宿区に位置する【平和祈念展示資料館】が共同で行っており、2月22日から3月5日までの期間限定で、シベリア抑留に関する実物資料や模型が公開されています。展示の中には、抑留者が実際に使用していた防寒着や外套などが含まれており、参加者はこれらを着用する体験が可能です。

戦後の厳しい現実



シベリア抑留は、1945年にソ連によって日本の軍人や軍属を強制的に連行し、過酷な条件下で働かせるという悲劇的な歴史です。戦争終結後も数年にわたり、約60万人が極寒の地で命を落とし、1割にあたる約6万人が帰還を果たせませんでした。このような背景を持つ本展示は、これらの出来事を後世に残すための重要な試みです。

展示の魅力



合同展示では、合計約90点もの貴重な実物資料が展示されています。舞鶴引揚記念館が所蔵する「白樺日誌」や様々な手紙類、平和祈念展示資料館からは防寒着や手製の食器など、実際にシベリアで生活していた人々の道具が公開されています。特に、収容所での生活を思い起こさせる道具は、観覧者にとっても胸が詰まる思いを呼び起こすことでしょう。

また、この展示では新型コロナウィルス感染防止の観点から、参加者は透明ビニール手袋を着用する必要がありますが、原則的には無料で着用体験ができるため、幅広い層の訪問者に教育的な体験を提供しています。

語り部による解説



さらには、会期後半の2月28日からは、東京都在住の大学生による語り部が来場者に資料の解説も行います。「シベリア抑留」の実情を知ることで、より深い理解が得られる機会となるでしょう。

教育旅行にも最適な取り組み



展示の目的の一つは、戦争を知らない世代にも、その歴史を理解してもらうことです。舞鶴引揚記念館と平和祈念展示資料館は、全国の学生を対象とした平和学習や修学旅行に積極的に対応しており、今後の認知拡大を目指しています。シベリア抑留の歴史を知ることは、未来の平和を考える重要な一歩となるでしょう。

この展示は、戦後から約80年が経過し、当時の体験者が減少していく中で、貴重な資料を通して記憶を後世に伝えるための大切な取り組みです。ぜひこの機会に、シベリア抑留の歴史に触れてみてください。

会社情報

会社名
舞鶴引揚記念館
住所
京都府舞鶴市字平1584
電話番号
0773-68-0836

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