富士山での通信速度実証実験が示す意外な結果とは
日本一の山、富士山で行われた通信速度実証実験の報告をお届けします。 株式会社ALL CONNECTの代表取締役社長である岩井宏太氏が率いるこのプロジェクトは、日本最高峰の富士山で実施されたもので、通信環境の現実を明らかにすることを目的としたものです。
この実証は、通信インフラ事業と地域振興を行う株式会社ALL CONNECTによる連載企画「WiFi片手に、日本をめぐる。〜令和の伊能忠敬プロジェクト〜」の一環として行われました。監修を務めるのは、株式会社Adevalの代表取締役荒木孝博氏です。 2026年7月、富士山の吉田口登山道を登る中での調査です。これは、山麓の860mから剣ヶ峰の3776mまで全18地点において、4つの通信端末と新たに始まった「富士山Wi-Fi」を比較するというもので、特に注目すべき点は、このような実測による比較が日本初であるということです。
一般的な認識との逆転劇
これまでの実証実験には多くの知見がありましたが、標高が高くなるにつれて通信がどうなるのか、一般的には「高ければ通信が遅くなる」という理解が広まっています。しかし、今回の実証では、必ずしもそうではないという結果が示されました。
実際に、標高3,776mの剣ヶ峰では楽天モバイルが74.37Mbpsという速度を記録し、最速を記録しました。この結果は、これまでの考えを覆すものでした。他の回線では、本八合目で345.69Mbpsを記録したStarlinkが、剣ヶ峰ではその速度を大きく下回る26.07Mbpsにまで低下するなど、標高が一概に通信速度に影響を及ぼさないことが示されました。
環境の影響
今回の調査で得られた主要な結果の一つは、標高に比例して通信速度が変動するわけではなく、周囲の環境が通信の強さに直接的に影響を与えるということです。実際のデータによると、三合目での楽天モバイルは43.66Mbpsだったのに対し、八合目では0.54Mbps、再び剣ヶ峰では74.37Mbpsに達するという変動が見られました。これらの結果は、登る地点やその時の周囲の電波環境などに強く依存していることを示しています。
さらに重要なことは、全ての端末が同じ条件で比較できたことで、それぞれの特性が明らかになったことです。楽天モバイルは速度こそ高いものの、計測可能な地点が4つと少なかった一方で、WiMAX(DOCK)は安定した接続を維持し続けたことから、環境によっては選択肢が異なるということが言えます。
未来の展望と通信の選択
登山による実施の中で、万全の準備が求められることが強調されました。多くの通信端末とともに登山することは容易ではありませんが、実際にその場でどれだけ使えるかを確かめることは重要です。
今後、このような環境での通信の実証実験は続けられ、さらなるデータの蓄積が期待されます。各地点で本当に使える通信を探求し続けることで、多くの人が山やその他の場所での通信のリアルな現状に対する理解が深まるでしょう。
詳細なレポートや実際の結果については、公式noteでも随時更新されていますのでぜひチェックしてみてください。