海事業界のデジタル化を進めるMarineSLの取り組み
最近、株式会社MarineSLが「国内海事×ITカオスマップ 2023年版」を発表しました。この取り組みは、日本国内の海事クラスターに属する企業が開発した様々なITサービスを広く網羅し、その全容を明らかにするものです。更なるデジタル化の波を受け、海事業界におけるITサービスが急増する中、これを可視化することが求められていました。
国内海事ITサービスの意義
国内海事ITサービスとは、運航システム、セキュリティ、労務管理、さらには造船にかかわるプロセス管理ツールといった、海事に関連するITサービスの総称です。海外にも多くのサービスが存在しますが、日本国内の企業もこれらを積極的に取り入れています。そのため、MarineSLは継続的に調査を行い、カオスマップとしてまとめて公表することを決定しました。
カオスマップの詳細
今回のカオスマップでは、「バリシップ2023」に参加した企業の提供するサービスに基づき、5つの大カテゴリに分類しました。各カテゴリにはさらにサブカテゴリが設けられ、例えば運航システムでは「遠隔監視」「自動運航」「航路最適化」などの具体的な機能が示されています。
このようにサービスを整理することにより、利用者は類似のサービスを一目で把握できるよう工夫されています。特に「運航システム」関連のサービスは数多く、遠隔監視の機能が充実していることが見ることができます。また、船舶と地上拠点を結ぶ衛星通信サービスも増加しており、これらの必要性が高まっていることが分かります。
海事業界のデジタル化の背景
海事業界は伝統的な構造や船上通信の問題から、他の業界に比べてデジタル化が遅れていました。しかし、最近のDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れにより、各企業のIT関連サービスは着実に増加しています。実際に、2023年5月に開催された「バリシップ2023」では、約100件のサービスが確認されました。このように、多様なサービスが市場に投入されることで、関連サービスの重複や競合が発生し、俯瞰的に見ることが難しいという声が多く聞かれます。
このような背景を受け、MarineSLは「バリシップ2023」に集まった企業を中心に調査を行い、それをカオスマップとして整理しました。今後もこのカオスマップを通じて情報の提供に努めていく予定です。
カオスマップの入手方法
「国内海事×ITカオスマップ 2023年版」は、MarineSLの公式サイトからPDF形式でダウンロードすることができます。興味のある方は以下のリンクを参照してください。
カオスマップダウンロード
MarineSLについて
MarineSLは、海事業界のさまざまな課題に取り組むことを目指しているスタートアップ企業です。デジタル化を進めることで、海運、造船、舶用工業といったニッチな分野で新たなサービスを共創し、提供していくことに力を入れています。また、リサーチやコンサルティングを通じても海事IT分野の発展を支援しています。
親しみやすいデジタルカルチャーを創出することをミッションに掲げ、MarineSLは今後も業界の発展に貢献していくことでしょう。これからの海事業界におけるデジタルイノベーションから目が離せません。