AGRISTとJA全農いわてによるピーマン収穫ロボット実証実験の開始
近年、日本の農業においては人手不足が大きな課題となっています。特に中山間地域では、育成や収穫作業に十分な人手を確保することが難しく、収穫物の生産性に影響を及ぼしています。このような背景の中、AGRIST株式会社はJA全農いわてと連携し、岩手県内のハウスでピーマン収穫ロボットの実証実験を実施することになりました。
実証実験の概要
AGRISTは、AIを搭載した自動収穫ロボットをJA全農いわてにレンタルし、2023年9月2日から20日までの18日間、このロボットを用いて実際にピーマンの収穫作業を行います。この取り組みは、収穫ロボットの性能を評価し、その効果を検証することを目的としています。
JA全農いわては、岩手県の園芸生産を促進するために、先進的な栽培技術を導入し、生産者に安定した収入を提供する取り組みを行っています。このロボットの導入は、この目的を達成するための重要なステップとなります。
収穫ロボットの特徴
AGRISTが開発したピーマン収穫ロボットは、AIと画像認識技術を駆使して、収穫適期のピーマンを正確に認識し、自動で収穫することができます。ハウス内の環境に応じて自動走行し、作業を行うため、従来の人手による負担を軽減します。
期待される効果
この実証実験を通じて、以下の効果を期待しています:
- - 人手不足の解消:収穫作業が自動化されることで、人手不足に対処します。
- - 生産性の向上:作業効率が向上し、生産量の増加が見込まれます。
- - 品質の安定化:作業の標準化により、収穫物の品質が安定します。
- - 労働環境の改善:重労働の緩和により、農業従事者の働きやすい環境が整います。
プロダクトリーダー増渕のコメント
プロダクトリーダーの増渕氏は、「2021年より本プロジェクトについて話を進めており、今回の実証導入に至りました。特に東北エリアでの初めての導入となるため、非常に重要な取り組みです」と語りました。
これにより、収穫ロボットの進化を促進し、様々な農家に使っていただく道を開いていきたいとしています。
今後の展望
AGRISTは、今回の実証実験から得られるデータを元に、さらにロボットの性能向上に努めるとともに、他の作物にも対応した機能の拡張を検討しています。また、Microsoftの「Copilot」を活用したAI「AGRIST Ai」の開発も行っており、将来的には日本全国の農業におけるDX化を進めていく意向を示しています。
JA全農いわての取り組み
JA全農いわては、施設栽培を通じてピーマン栽培の普及を目指し、令和6年3月から「先進園芸実証農場」の設立に向け試験栽培を行っています。この取り組みにより、ICT技術を駆使した新たな農業のモデルを構築し、生産者の安定収入と生産拡大を目指しています。
AGRISTとJA全農いわての連携により、地域農業の未来を切り開くことが期待されます。