帯広大正農業協同組合の再エネ導入の全貌
帯広市に位置する帯広大正農業協同組合(JA帯広大正)は、政府のGX戦略に沿った形で、地域に根ざした再生可能エネルギーの導入を進めています。この取り組みは、脱炭素化とコスト効率を両立させるための重要なステップと位置づけられ、2023年4月に運転を開始しました。
農業協同組合として、JA帯広大正では農産物の付加価値向上のために、環境に配慮した自然エネルギーを活用することが求められています。この新たな再エネ設備が他の農業協同組合や地方公共団体にも広まり、日本全体の再エネ導入の加速に寄与することが期待されています。
再エネ導入の具体的な内容
今回のプロジェクトでは、JA帯広大正農産センターに太陽光発電設備(500kW)を設置し、その電力を蓄電池(1,000kW)に蓄えて、夜間や早朝などに使用します。この電力供給の形態により、再生可能エネルギーの円滑な導入と経済性の実現を目指しています。
また、この設備の導入には20年間のリース形式が採用されており、電気料金の変動に影響されることなく安定した事業運営を可能にします。この蓄電池設備は、芙蓉総合リース株式会社が保有し、グローバルエンジニアリングがオペレーションを担当しています。
導入の成果と効果
JA帯広大正の再エネ導入による年間電力の再生可能エネルギー化は、使用電力量の約1/5に相当し、これは北海道の一般家庭260軒分に相当します。また、CO2の年間削減量は186トンに達する見込みです。
電気料金の削減効果としては、契約電力の低減や太陽光発電による運用で、従量電力料金が約8%減少します。さらに、再生エネルギー賦課金の負担も軽減されるため、全体的なコストの圧縮が期待できます。
設備の詳細
1.
太陽光発電設備
- 製造元: カナディアンソーラー
- 出力: 500kW
- オンサイトPPAとして買取
2.
蓄電池設備
- 製造元: ダイヘン
- 出力: 1,000kW
- 停電時には自施設内に電力供給
- 設置費用: 約6億円
このように、帯広大正農業協同組合の再エネ設備は、環境への配慮だけでなく、経済的な利益をもたらす重要な取り組みとして、地域の持続可能な発展を築く基盤になっています。
今後の展望
JA帯広大正は、再エネ設備の導入が成功裏に進むことにより、地域農業の発展を促進し、全国の農業協同組合への模範となることを目指しています。環境保護と経済成長の両立を図るこの試みが、他地域でも実施されることを強く期待しています。