日本初！グリーン水素を活用した燃料電池実験が始まる

先進的なステップ：グリーン水素を活用した燃料電池

NTTドコモは、日本初となるグリーン水素を用いた純水素燃料電池の基地局での使用に関する実証実験を、2025年11月17日から2027年3月31日まで実施する予定です。これは、非常用電源としての水素燃料電池の適用可能性を検証し、二酸化炭素を排出しない持続型ネットワーク構築を目指す取り組みです。

実施背景と目的

携帯電話の基地局は長時間の停電や災害時においても通信サービスを継続するため、非常用電源が必要不可欠です。従来、ドコモはメタノール型燃料電池を用いていましたが、発電時に二酸化炭素を排出することが課題でした。そこで、環境に優しいグリーン水素を利用した燃料電池を導入することが検討されました。この実証実験の目的は、メタノール型燃料電池に代わる新たな環境配慮型非常用電源の選択肢を広げることです。

実験概要

この実証実験では、商用基地局に水素燃料電池を接続し、以下の点を検証します：

1. 水素燃料電池の安定動作の確認 - 実際の運用環境下での動作を確認します。
2. 停電検知機能の検証 - 停電時、自動で電力を供給できるかをテストします。
3. 蓄電池との併用運転の可否 - 既存の蓄電池との協調運転が可能かを評価します。
4. 停電後の復電に応じた出力停止 - 復電後に水素燃料電池が正常に出力を停止する機能を確認します。

特に、今回開発された水素燃料電池の出力電圧制御技術は、基礎的な電力供給を行うための重要な要素です。これにより、従来の蓄電池に依存すぎずに水素燃料を効率的に利用できるようになります。

グリーン水素の供給

実証実験で使用する水素は、山梨県甲府市にある「やまなしモデルP2Gシステム」から供給されます。このシステムは、再生可能エネルギーを利用して水を電気分解することによって生成されたグリーン水素を用いています。これにより、純水素燃料電池が環境負荷ゼロで運用されることが期待されます。

今後の展望

NTTドコモは、この実証実験を通じて、環境に優しいエネルギーの活用とネットワークの信頼性向上を図ります。また、2025年11月19日から21日および11月25日から26日には、NTT株式会社が開催する「NTT R&D FORUM 2025」に本技術に関するブースを出展し、さらなる情報発信を行う予定です。

これにより、次世代の通信インフラがどのように進化していくのか、広く注目されることでしょう。詳細は、公式サイトにて確認できます。 NTT R&D FORUM 2025 公式サイト

環境への影響を少なくしつつ、安全で安定した通信を実現するための重要なステップとして、この実証実験は注目の的です。