ろう・難聴児と外国につながる子どもを支援する「やさしい字幕」プロジェクト
NPO法人eboardは、「学びをあきらめない社会の実現」を目指す非営利団体として、映像授業とデジタルドリルを通じて、個々に応じた学習をサポートするICT教材eboardを都内外の学校や学習塾に提供しています。この取り組みは、文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」に基づき、全国の小中学校で1人1台の端末が整備されつつあり、今後も多くの教育現場に展開していくことが期待されています。
特に新型コロナウイルスの影響により、学校が休校化した2020年の春には、100万人以上がeboardのオンライン授業を利用し、需要が高まる中で耳の聞こえない子どもたちや外国につながる子どもたちからも、聴覚や日本語の支援に対する強い要望が寄せられました。こんな背景を受け、eboardは新たなプロジェクト「やさしい字幕」を立ち上げ、ろう・難聴児や外国に由来する子どもたちの学習機会保障に取り組むこととなりました。
やさしい字幕の特長
「やさしい字幕」は、通常の映像授業で使用される字幕とは異なり、表示する内容を調整し、文章の構造を簡素化することで、学習のハードルを下げることを目的としています。このプロジェクトにより、AIを活用した自動翻訳機能が向上し、外国語の学習にも利用できるようになります。
対象となる主なグループは以下の通りです:
1.
ろう学校の児童・生徒、難聴児
現在全国のろう学校には約8,000人の子どもたちが学んでいますが、日本国内で字幕付きの授業は限られた状況です。また、聴覚障がいを抱えた子どもたちは、各自が抱える聴こえのレベルに応じた支援が必要とされています。
2.
外国につながる日本語の支援が必要な子
文部科学省の調査によれば、日本語指導が必要な子どもは全国で48,238人に上ります。この子どもたちには、特に地方での支援環境が整っていないことが課題です。
3.
発達障害などの学習に困難を抱える子
年々増加している特別支援学級や個別支援を受ける児童の中にも、視覚的なサポートが効果的な子どもが多くいます。
ご協力企業とボランティアの支援
コロナ禍で社会貢献活動が困難となる中、eboardは広く企業や団体の協力を受けながら、このプロジェクトを推進しています。具体的には、以下のような企業が協力しています:
- - BNPパリバ・グループ
- - セールスフォース・ドットコム
- - シティグループ
- - アシュリオンジャパン・ホールディングス
- - J.P.モルガン
- - SMBC日興証券
- - ウェルズ・ファーゴ
このように、多くの企業の協力を得て「やさしい字幕」プロジェクトは進行中であり、今後7万人以上の子どもたちにとっての学習機会の保障を目指しています。教育の現場で必要とされる支援が、確実に提供されることを期待しています。