自動車販売39%減
2020-05-19 08:00:13

2020年3月の世界自動車販売が39%減少 コロナ影響深刻

2020年3月の世界自動車販売データ



2020年3月、世界の自動車販売台数は、新型コロナウイルスの影響を受けて555万台となり、前年同月比で39%の大幅な減少を記録しました。これは1980年の調査開始以来、最も大きな落ち込みです。2008年の金融危機での25%減をも上回る数値で、業界にとって非常に厳しい状況を意味しています。

このような販売減少の背景には、世界中での厳しいロックダウンが影響しています。消費者の行動が制限され、経済への不透明感が広がる中、業界全体が動揺しています。JATO Dynamicsのグローバルアナリスト、フェリペ・ムニョス氏は「この減少は、自由な行動が制限された結果だけではなく、業界の将来に対する不安が加わったためだ」と説明しています。

欧州市場の深刻な影響



特に影響を受けたのは欧州で、27カ国の乗用車販売は前年比52%減の848,800台にとどまり、38年間で最も売れない3月となりました。特に、シティーカーやサブコンパクトカーが顕著に減少し、業界全体の売上に多大な打撃を与えています。

前月から続く減少傾向の中、第一四半期の世界販売台数は昨年同期比で26%減の1742万台となり、特にイタリア、フランス、スペインなどの国々での販売は大幅に落ち込みました。ロックダウンの影響で、消費者が車を購入する機会を失い、各国共通の課題が浮き彫りになっています。

中国市場の回復傾向



一方、中国市場では状況が改善してきており、販売台数は2019年の平均水準の75%まで回復しています。新型コロナウイルスの影響を受けていた2月とは対照的に、3月には前年比での減少が30%に収まりました。職場復帰が進み、政府の支援策もあいまって、前年比での回復傾向が見られています。

JATO Dynamicsのカントリーマネージャー、ボ・ユ氏は「中国の自動車業界は前向きな見通しを持っており、個人所有車両の販売が増えると期待しています」とコメントしています。

アメリカ市場の安定と懸念



アメリカでも販売台数は昨年同月比で38%減の100万台にとどまりましたが、他の地域よりも影響は小さいですが、徐々に厳しい状況に直面すると予測されています。地域によっては外出規制が遅く導入されたため、販売の減少は比較的穏やかでしたが、今後の動向には注視が必要です。

インド市場の複雑な状況



インド市場も厳しい状況にあります。ロックダウンの開始前から複雑な環境にある中、排出規制の厳格化が影響を与え、多くの自動車メーカーが新しいモデルの発売に苦しんでいます。結果として、消費者の需要は減少し、困難な状況が続いています。

まとめ



新型コロナウイルスの影響は、自動車業界に深刻な影響をもたらしていますが、国や地域によって状況は異なります。また、回復に向けた動きも見える中、今後の市場動向を注視することが重要です。

会社情報

会社名
JATO Japan Limited
住所
東京都文京区西片2-22-21本郷MKビル2階
電話番号
03-6801-9551

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