デジタルヒューマン活用の観光コンシェルジュ実証実験が始動

2025年1月23日から、名古屋マリオットアソシアホテルで「デジタルヒューマンによる観光コンシェルジュ」と「ARグラスを活用した観光情報発信」の実証実験が開始されます。この取り組みは、経済産業省中部経済産業局、株式会社ジェイアール東海ホテルズ、NTTコミュニケーションズ株式会社、株式会社NTTコノキュー、公益財団法人日本交通公社などが協力し、訪日外国人旅行者の中部地域での滞在促進を図っています。

1. 中部地域の観光の現状と課題

中部地域は古くからのものづくり産業に加え、世界遺産や豊かな自然環境、食文化などがあります。しかし、訪日外国人観光客は主に東京や京都などのゴールデンルートを巡る傾向が強く、あまり中部地域に立ち寄ることがありません。このため、観光資源を有効に活用できていないという課題があります。004953

2. 実証実験の概要

本実証実験では、デジタルプロモーションツールを使って中部地域の魅力を発信し、地域に滞在する観光客の体験を向上させることを目指しています。具体的な内容は以下の通りです。

デジタルヒューマンによる観光コンシェルジュ

NTTコミュニケーションズとNTTコノキューが共同で開発しているデジタルヒューマンが、名古屋マリオットアソシアホテルの15階に設置されたマネージャーデスクで、訪日外国人旅行者に対して観光案内を行います。デジタルヒューマンは、音声合成技術とAI技術を用いて、自然な会話を通じて観光情報を提供します。24時間365日体制で英語対応が可能で、訪問者の趣味や嗜好をもとにカスタマイズされた観光プランを提案します。

ARグラスを活用した観光情報発信

続いて、株式会社NTTコノキューが開発したスマホ接続型のARグラスを使って、ホテルに宿泊するお客様に中部地域の伝統工芸品や観光スポットの情報を提供します。これにより、観光客はAR技術を通じて新たな視点で観光を楽しむことができます。

3. 実証実験の意義

この実証実験は、訪日外国人観光客に対して中部地域の魅力を提示し、より多くの滞在による消費を促進することを目的としています。企業と行政が手を携え、IT技術を最大限に活用することで、新たな観光体験の創出を目指しています。

4. 今後の展開

実証実験の成果を踏まえて、今後はこれらのツールを継続的に活用し、中部地域の観光資源を積極的に発信していく計画です。地域の活性化と、訪日外国人旅行者の満足度を高めるために、今後の動向が注目されます。021585

この実証実験は、インバウンド富裕層向けの中部地域ホンモノ体験コンテンツの需要開拓を目的に行われており、各側面から中部の魅力を引き出す試みとなっています。すでに多くの期待が寄せられているこの新しい観光体験が、どのように展開していくか楽しみです。