地域と共生する住宅
2022-10-07 15:58:02

平成建設が贈る、地域と共生する住宅の新しい形

平成建設が手掛けた2つのプロジェクト



今年度の「グッドデザイン金賞」と「グッドデザイン賞」を受賞したのは、静岡県の株式会社平成建設が実施した二つの革新的な建築プロジェクトです。それぞれのプロジェクトは、地域に根付いた持続可能なライフスタイルを提案し、地域コミュニティの価値を高める眼目を持っています。

1. バウマイスターの家



「バウマイスターの家」は、山と共に豊かになる建築をテーマにしたプロジェクトです。日本の豊かな森林資源を有効活用し、特に大径丸太を使用したシンプルなハンドクラフトによる建築が特徴です。日本の山で育つ針葉樹は大径化しているものの、住宅用の規格製材は小ぶりなものに偏りがちで、実際に大径材はほとんど利用されていないのが現実です。このため、林業収益は減少し続け、持続的な植林や伐採が行われていない日本の山々では、将来的に木材が枯渇する懸念があります。

このプロジェクトでは、林業と建築の連携が強調されており、国産の大径材をどのように効率的に活用できるかを考え抜いています。規格外の木材を利用するためのプレカットや接合金物に頼らず、シンプルかつ効果的な施工方法を追求。大径材は最小限の加工を施し、自然な形状を維持しています。また、残材を無駄にすることなく、木ダボで接合することで新たな価値を生み出しています。

2. Kids Home ぶどうの木



もう一つの受賞プロジェクト、「Kids Home ぶどうの木」は、東京都港区に位置する新しい保育施設です。ここでは、住まいの1階部分が認可外保育とこども食堂として地域に開放され、都市における子育て支援の新たなスタイルを提案しています。

この地域では、十分な園庭を備えた施設は限られており、核家族や共働き世帯が増加する中で、保育サービスの需要も急速に高まっています。Kids Home ぶどうの木は、施設の一体感を保ちながら、地域とのつながりを設けた新しい形の育成スペースを提供しています。特に、重厚感のある木造の大屋根が印象的で、子どもたちの遊び場としても機能しやすいアイコニックなデザインとなっています。

受賞の背景と意義



両プロジェクトともに、木材の資源活用や地域貢献を重視したデザインが高く評価されました。特に、バウマイスターの家の施工方法は、従来の木材流通の問題に切り込むものであり、製材歩留まりを45%から80%へと改善する手法を確立しています。これは、林業従事者の経済的な安定にも貢献する意義深い試みです。

また、Kids Home ぶどうの木は、個人の住宅が地域社会に貢献できる新しい形を提案しており、今後の地域活動や子育て支援の可能性を広げるモデルケースといえるでしょう。

結論



平成建設のこれらの受賞プロジェクトは、伝統的な価値観を基に、現代の課題に真正面から向き合った成果であり、地域とともに成長する建築の未来像を描いています。これからの建築がどのように進化していくのか、期待が高まります。

会社情報

会社名
株式会社 平成建設
住所
静岡県沼津市大岡1540-1
電話番号
055-962-1000

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