王子ネピアと日本トイレ研究所が手を組んだ「うんち教室®」の再始動
2024年度より、王子ネピア株式会社(本社:東京都中央区)とNPO法人日本トイレ研究所による小学生向け出張授業「うんち教室®」が約5年ぶりに活動を再開する。このプログラムは、排便に関する知識を楽しみながら学ぶことを目的として2007年にスタートし、これまでに約2万人の子どもたちが参加した。新型コロナウイルスの影響で2020年以降は活動が中止されていたが、今年度から再始動することとなった。
「うんち教室®」の目的と研修会
活動再開に向けて、8月22日に小学校の教諭・養護教諭向けの研修会がオンラインで開催される。この研修では、「うんち教室®」の内容や実施方法、またその効果について解説し、子どもの排便習慣向上のための専門的な知識をわかりやすく提供することが求められている。
この研修は、すでに申し込みが終了しているが、後日アーカイブ配信も予定されている。
具体的な活動の内容
再開後の活動については、まずは石川県内の小学校で「出張うんち教室」を実施する予定。収集されたデータから、小学生の約26.3%が便秘の疑いを持っていることが判明した。これは4人に1人という高い割合であり、排便に関する教育が喫緊の課題となっている。このプログラムでは、排便を良好に保つことが、食生活や睡眠、運動習慣の改善にもつながることを強く訴える。
日本トイレ研究所の見解
日本トイレ研究所の代表理事である加藤 篤氏は、学校トイレの環境が悪く、子どもたちがトイレに行くことをためらう原因になっていると指摘する。そのため、「うんち教室®」ではいわば「トイレを快適な場所」として位置づけ、いかにして子どもたちが元気にトイレに行けるかを模索している。
うんち教育の重要性
教育界では「食育」が広まっている一方で、排便に関する知識や意識はなおざりにされている。特に小学生になると、親が子どもの健康状態を把握することが難しくなり、自分の体について学ぶ必要性が高まる。子どもたちが健康的なトイレ習慣を学び、安心してトイレを使用できる環境が求められている。
「うんち教室®」の今後と期待
王子ネピアと日本トイレ研究所は、「うんち教室®」を通じて、排便がもたらす健康の重要性を子どもたちに対して広めることを目指している。今回の再始動に際し、テキストの内容もバージョンアップし、さらに充実したプログラムを提供する計画である。過去には日本トイレ大賞を受賞した実績もあり、社会的にも注目を集めている。
社会貢献の一環としての活動
日本トイレ研究所は、トイレを通じてより良い社会を築くために活動している。調査研究や教育啓発を行い、公共トイレの改善にも力を入れている。この活動を通じて、排便は誰にとっても極めて重要な行為であることを大いに訴えている。
今後の「うんち教室®」の展開に期待が高まる。子どもたちを取り巻くトイレ環境が改善され、健康な生活習慣が根付くことを期待したい。